「どうすれば会社にお金を残せるの?」
「黒字になっているはずなのにお金がない」
「資金繰りが苦しくなったときの対処法を知りたい」
経営を安定させるためには、会社にお金を残しておく必要があります。
社内の現金が減ってしまうと資金不足につながり、必要な支払いができないだけでなく、最悪の場合、倒産する可能性があるからです。
持続可能な経営をおこなうためには、お金がない会社の特徴を知り、適切な対策を立てる必要があります!
一方で、どうやって強固な財政基盤をつくったらいいかわからないという悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、法人1期目で年商1.5億円を達成して会社を急成長させた僕が、以下の内容を解説します。
- お金がない会社の特徴
- 倒産を防ぐためにやるべきコト
- 資金繰りが苦しいときの心得
ぜひ最後まで読んで、お金がない会社にならないための行動をし、会社や事業の成長につなげていきましょう。
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お金がない会社の8つの特徴
お金がない会社の特徴を8つ紹介します。
- 設備投資にお金をかけすぎている
- 在庫過多になっている
- 借入金が多い
- 補助金の使い方を間違えている
- 売上債権が多い
- 過度な仕入れをおこなっている
- 証書貸付で運転資金を借入している
- 収入と支出の流れを把握できていない
それぞれ詳しく解説します。
1.設備投資にお金をかけすぎている
設備投資にお金をかけすぎると、手元の現金がなくなる可能性が高いでしょう。
投資する費用以上の利益が出ていないと、手元のキャッシュがなくなるからです。
たとえば、設備投資で100万円の機械を購入した場合、現金一括で支払うとその分手元のお金は減ってしまいます。
会社の利益が50万円だとしたら「50万円ー100万円=−50万円」となり、手元に現金が残らなくなってしまいます。
企業の成長には設備投資は必要ですが、手元のキャッシュを残すためにも、利益と照らし合わせたお金の使い方をおこないましょう。
2.在庫過多になっている
売り上げに対して商品の蓄えが多すぎると、お金がなくなる原因になるでしょう。
在庫を維持するためには、以下のような費用がかかるからです。
- 人件費
- 倉庫代
- 輸送費
- 光熱費
実際、在庫過多になってしまうと、維持費が増えてしまい、会社のお金も減ってしまいます。一方で、余剰品を減らすために値引きをして商品を売ってしまうと、得られる利益が減ってしまいます。
会社にお金を残すためにも、商品の売れ行きを正確に把握して、適正な量を発注するようにしましょう。
3.借入金が多い
借入金が多いと、会社のお金が残らなくなってしまう可能性が高いでしょう。
とくに長期借入金の場合は、最終的に得た利益からお金を返済する必要があるからです。そのため、借入金のほうが多ければ、手元のキャッシュは減り、資金繰りが厳しくなってしまいます。
たとえば最終的な利益が50万円、返済額が100万円の場合は、50万円のマイナスになり資金繰りが苦しくなります。
お金を借りる際には、本当に借入金は必要なのかをしっかりと確認して必要な金額だけ借入しましょう。
4.補助金の使い方を間違えている
補助金の使い方を間違えてしまうと、ただただ会社のお金を減らしてしまう原因になるでしょう。
補助金の場合、基本的に先に全額を支払い、後から補助分がもらえるため、手元のお金が増えるわけではないからです。
対象となるモノを購入した場合、購入金額の3分の1、2分の1など一定の割合を補助してくれるもの
たとえば、2分の1の補助が出る制度を活用して5,000万円の機械を買った場合、先に5,000万円を支払い、各種手続きの完了後に2,500万円をもらえます。
2,500万円が会社の持ち出しになり、結果として手元のお金が減ってしまいます。
補助金を活用しても、儲けにはつながりません。会社のお金をムダにしないためにも、補助金の利用は慎重におこないましょう。
5.売上債権が多い
多くの売上をあげたとしても、売上債権が多いと、会社にお金がない状態になってしまいます。売上があがっても、代金の回収ができていなければ、手元のキャッシュが増えないからです。
商品やサービスの提供をおこなったが、回収できずにいる売上代金のこと
たとえば、会計上は200万円の売上がでていたとしても、売上代金を10万円しか回収できていなければ、会社の現金は増加しません。
売上債権の多さは、会社経営に大きな影響を与えます。お金がない状態に陥らないためにも、売上代金をしっかりと回収できる仕組みをつくっておきましょう。
6.過度な仕入れをおこなっている
欠品を恐れるあまり、過度な仕入れをおこなってしまうと、手元のお金がどんどん減ってしまうでしょう。
在庫を増やせば増やすほど、支払う金額が増えてしまう一方で、商品が売れなければ利益がうまれないからです。
たとえば、100万円分の商品の仕入れをおこなったとしても、売上が10万円だけしかない状態では、会社のお金は増えません。
在庫管理は計画的におこなう必要があります!
会社にお金を残すためにも、商品の販売状況を確認し、適切な量を仕入れるようにしましょう。
7.証書貸付で運転資金を借入している
運転資金を証書貸付で借入れている会社は、お金がない状態であるケースが多いでしょう。
証書貸付の場合、毎月決まった額の返済を現金でおこなっていくため、返済額が増えるたびに会社が保有するキャッシュが減っていってしまうからです。
証書貸付:1回の借入ごとに契約書をつくり、記載した金額だけを借りる、長期貸付に利用される融資契約のこと
運転資金:企業が事業を継続的に運営するために必要な資金のこと
たとえば、運転資金を証書貸付で5,000万円借り入れ、2,500万円を返済した場合、返した分の現金が減ってしまいます。
会社のキャッシュを減らさないためには、短期継続融資や当座貸越しなど元本返済がないタイプの借り入りを利用するのがおすすめです。
元本返済とは、借入金を返済する際に元金と利息を合わせて返済する方法のこと
手元に現金を残したいなら、元本返済が必要ない借入方法を選ぶとよいでしょう。
8.収入と支出の流れを把握できていない
収入と支出の流れを把握できていないと、会社にお金を残すのは難しくなるでしょう。お金を増やすためには、収入を増やして支出を減らす必要があるからです。
たとえば、利益が出ているのに支出が多すぎる場合は、会社にお金が残らず倒産につながる可能性があります。
資金繰りが苦しくならないためにも、収入と支出の詳細や内訳をしっかりと把握するようにしてみてください。
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お金がない会社の特徴にあてはまった企業が倒産を防ぐためにやるべき5つのコト
お金がない会社が倒産を防ぐためにやるべきことを5つ紹介します。
- お金が残らない原因を明らかにする
- 削減できる経費はないか確認する
- 利益を増やす
- 経営計画を見直す
- 資金操り表を作成する
順番に見ていきましょう。
1.お金が残らない原因を明らかにする
資金繰りの改善のためには、会社にお金が残らない原因を明らかにする必要があるでしょう。
根本的な理由がわからないままだと、知らない間に会社内の現金がなくなってしまう可能性が高いからです。
資金繰りが苦しい原因を明らかにするには、資金繰り表を作成して入出金の流れを把握するのがおすすめです。
手元の現金を着実に増やしていくためにも、お金の流れをしっかりと把握するようにしましょう。
なお、こちらの記事「【丸わかり】財務諸表と決算書の違いとは?作成する目的や分析方法も解説」では、会社の収益力や倒産のリスクなどを把握する方法を解説しています。自社の経営状態を分析する方法を知りたい人は、参考にしてみてください。
2.削減できる経費はないか確認する
会社にお金がない場合は、削減できる経費はないか見直すことが重要です。コストカットすることで、利益が向上して会社に残るお金が増える可能性があります。
以下に見直すべき経費をまとめました。
- 賃料や光熱費、人件費などの固定費
- 商品やサービスの仕入れ費用
- 在庫の維持費用
- 接待交際費
経営コストの見直しをおこなうためには、現状の経費の内訳を把握し、削れるものと必要なものをしっかりと見極めるようにしてください。
3.利益を増やす
倒産を防ぐためには、利益を増やす必要があります。会社内のキャッシュが増えれば、財務基盤が強化され、安定した経営をおこなえるようになるからです。
以下に、利益を増やすための方法をまとめました。
- 販売単価を上げる
- 新規顧客を開拓する
- リピート率を上げる
- 無駄な経費を削減する
- 仕入原価や販売手数料などの変動費を下げる
会社内の現金を増やすためには、利益率の向上が欠かせません。高い基準で利益を生み出せる仕組みをつくって、資金力のアップを図りましょう。
4.経営計画を見直す
資金繰りが苦しい場合は、経営計画の見直しをおこないましょう。赤字の商売や売上が低い事業があると、資金が不足して経営状況の悪化を招いてしまうおそれがあるからです。
利益率の低いビジネスがあれば、事業規模の見直しや事業継続の有無を検討する必要があります。
新たな競合他社の出現や、社会情勢の変化が原因による売上の低下なら、価格の改定や商品・サービスの改良などをおこなってみるとよいでしょう。
経営計画の見直しは、会社にお金を残すために欠かせない作業です。とくに、資金繰りが苦しい状態であるならば、経営方針の見直しが急務といえるでしょう。
なお「経営計画書をつくったことがない」「どのように見直せばよいかわからない」という方は、【わかりやすい】中期経営計画作り方ガイド!作成時のポイントや活用事例も紹介を参考にしてみてください。
5.資金操り表を作成する
資金不足のリスクを回避するためには、資金繰り表の作成が欠かせません。将来発生する入出金の額を予測できるため、資金の調達方法を前もって検討できるからです。
一定期間のすべての現金収支を表したもの
資金繰り表を作成する際は、予算を厳しめに立て、作成後は財務状況に合わせて修正することが重要です。
倒産のリスクを避けるためにも、資金繰り表の作成をおこない、今後の経営方針を戦略的にたてましょう。
お金がない会社の特徴にあてはまる企業必見!資金繰りが苦しいときの心得3選
最後に、お金がなく資金繰りが苦しい企業に必要な心得を3つ紹介します。
- 街金融や商工ローンの利用は慎重におこなう
- 税金の滞納は避ける
- 融通手形の利用は慎重におこなう
それぞれ詳しく解説します。
1.街金融や商工ローンの利用は慎重におこなう
資金繰りが厳しいときこそ、街金融や商工ローンからの借入は慎重におこないましょう。金融機関に比べて審査は通りやすいですが、金利が高いからです。
金融機関の金利は1%から15%ほどですが、街金融や商工ローンは15%から20%ほどになっています。
街金融や商工ローンからの借入をおこなうと、銀行や保証協会などからの融資を受けるのが難しくなります。
街金融や商工ローンの利用はデメリットが多いため、よく検討して慎重におこなうようにしてください。
2.税金の滞納は避ける
会社にお金がない状態であっても、税金の滞納は避けたほうがよいでしょう。未納のままだと延滞税が加算されるため、最終的に支払う金額が多くなるからです。
督促状がきても滞納を続けてしまうと、会社の財産を差し押さえられる可能性があります。
会社の財産が差し押さえられると事業の継続が難しくなり、最悪の場合は倒産することもあります。
税金の支払いが難しい場合は、税務署や地方自治体に連絡して、納税の猶予が受けられるかの相談をしてみてください。
3.融通手形の利用は慎重におこなう
資金繰りが苦しい場合でも、融通手形の利用は慎重におこないましょう。資金不足や手形の未回収によって、融通手形を受けた側だけでなく、発行した側も倒産するリスクがあるからです。
商売の取引がないにも関わらず、資金調達のために発行される手形のこと
たとえば、融通手形で300万円の融資を受けた場合、資金調達を受けた側は支払日までにお金を用意する必要があります。
当然、お金を返済すると返済分の現金がなくなるため、資金の余裕がないと資金繰りが苦しくなり、最悪の場合は倒産につながってしまうでしょう。
一方で、融資を受けた会社が支払日までにお金を用意できなかった場合、融通手形を発行した側がかわりに返済額を支払う必要があります。資金繰りに余裕がない場合は、手形を発行した側の会社も倒産のリスクに直面する可能性が高くなってしまいます。
このように、融通手形は自社だけでなく、相手の会社の経営状況にも影響を与える可能性があるため、慎重に利用したほうがよいでしょう。
なお、こちらの記事「【すぐできる】資金繰りが苦しいときにできる3つの対策!根本的な改善方法も解説」では、資金繰りが苦しい状況を改善する方法を解説しています。財務状況の問題をどうにかしたいと考えている方は、参考にしてみてください。
ぜひ本記事を参考に、持続可能な経営をおこなうためのキッカケにしていただければ幸いです。
なお、EXTAGE株式会社では、事業計画や財務などの経営に必要な知識が身につく「戦略MG」を開催しています。
ボードゲーム形式で実際に体験しながら、会計や財務などの経営に必要なお金の知識を学べます。経営的な思考を身につければ、より安定した経営ができるようになるでしょう。
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戦略MGについてもっと詳しく知りたい方は、関連記事「【講師直伝】戦略MG(マネジメントゲーム)研修とは?得られるスキルとゲームの流れを徹底解説」を参考にしてみてください。