「経営戦略にはどんなものがあるの?」
「どのように戦略を立てればいいの?」
「成功している企業の戦略を教えてほしい」
競争が激しい環境のなかで、企業が継続的に成長していくためには、明確な経営戦略を打ち出すことが重要です。
市場には必ず競合企業が存在し、やみくもに戦っても勝機はありません。自社はどのような戦略をとるのか?限られたリソースをどこに使っていくのか?など明確な方向性を打ち出す必要があります。
そこで今回は、戦略的に会社を経営し法人1期目で1.5億を達成した僕が、以下の内容を解説します。
- 経営戦略について事例の前にサクッとおさらい
- 事業拡大を目的とした経営戦略の事例4選
- 競争優位を目的とした経営戦略の事例3選
- 経営戦略の成功事例に共通する3つのポイント
本記事を参考にすれば、成功している企業の経営戦略をもとに、自社でどのようにいかせばよいかが明確になるでしょう。
なお、EXTAGE株式会社では、経営戦略について学べる「戦略MG(マネジメントゲーム)」を開催しています。
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経営戦略について事例の前にサクッとおさらい
事例を確認する前に、経営戦略の全体についてサクッと確認しておきましょう。
経営戦略は、次の5つの内容から構成されています。
- 経営理念:企業の存在意義や使命
- 経営ビジョン:企業の存在意義にもとづき、将来こうなっていたいという到達点
- 全社戦略:長期的なビジョンにもとづく戦略
- 事業戦略:個別の事業分野において競合より優位に立つための戦略
- 機能戦略:事業戦略を実現するための具体的な取り組み(マーケティングや生産など)
優れた経営戦略は、経営理念・ビジョンをもとに全社戦略・事業戦略・機能戦略の3つの階層から成り立っています。
上の階層にある経営理念・ビジョンを明確にしてから戦略を策定するのがポイントです!
具体的な戦略と成功事例を確認していきましょう。
事業拡大を目的とした経営戦略の事例4選
事業拡大を目的とした経営戦略では、「アマゾフの製品/市場マトリクス」が有名です。
これは「戦略的経営の父」とも呼ばれているアメリカの経営学者イゴール・アンゾフ氏が提唱したフレームワークです。
アマゾフ氏は、既存市場・新規市場・既存製品・新規製品の組み合わせから4つの経営戦略を提案しています。
どの方法で規模を拡大するかを考えるのに有効なフレームワークですね
市場/製品 | 既存(製品・サービス) | 新規(製品・サービス) |
---|---|---|
既存市場 | 市場浸透戦略 | 新製品開発戦略 |
新規市場 | 新市場開拓戦略 | 多角化戦略 |
この4つの戦略をもとにした経営戦略を紹介します。
- 【市場浸透戦略】マクドナルドの朝マック導入
- 【新市場開拓戦略】小松製作所の海外戦略
- 【新製品開発戦略】セブンプレミアムシリーズの開発
- 【多角化戦略】富士フイルムの化粧品分野進出
順番に見ていきましょう。
1.【市場浸透戦略】マクドナルドの朝マック導入
市場浸透戦略は、既存市場(顧客)に対して、既存商品の販売数をさらに拡大する戦略です。
購買頻度やリピート率を高めるといった施策で売上を伸ばします。
マクドナルドはハンバーガーの売上が頭打ちになった際、食べる時間帯を変えることで市場の拡大をはかりました。ハンバーガーは朝食べるものではないという常識に対して、朝マックを導入することで、市場に浸透・拡大をした事例です。
新しい切り口を打ち出すことで新たな顧客をつかみました!
その後、マクドナルドは夜マックを実施し、夕方以降の時間帯にも顧客を拡大しています。
夕食では物足りないハンバーガーの欠点を、ボリュームのある夜限定商品で解消することで新しいニーズを創出しています。
2.【新市場開拓戦略】小松製作所の海外戦略
新市場開拓戦略は、既存の商品を新たな市場に売り込んでいく戦略です。
国内だけで販売していた場合、以下のような考えで市場を開拓していきます。
- 国内から海外へ拡大する
- 別の世代に広げていく
- 女性の商品を男性にも売っていく
小松製作所は、建機の国内市場が頭打ちになることを先読みして、早い段階から世界へ進出。グローバル化をすることで、新たな市場を開拓しました。
現在では、キャタピラー社(Caterpillar Inc.)に次ぐ世界第2位の規模にまで成長しています。
さらにITを駆使し、自動運転や遠隔操作なども取り入れ、海外市場でも優位性のある建機を提供することで市場の拡大をはかっています。
小松製作所はデジタル技術を駆使したDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進でも先をいく企業です!
3.【新製品開発戦略】セブンプレミアムシリーズの開発
新商品開発戦略は、いままでの市場に新しい製品やサービスを投入して売上を拡大する戦略です。既存の商品と異なるニーズにあった商品を開発できるかがポイントとなります。
セブンーイレブンは、プライベートブランド(小売店が企画・開発・販売する商品)に新しい価値をプラスして成功した企業です。
当時のプライベートブランドといえば、ナショナルブランド(食品メーカーのブランド商品)の機能を一部削るなどして、手頃な価格で発売することが主流でした。
セブンーイレブンも同様の取り組みをおこなっていました。しかし、プレミアムシリーズという高品質でかつ、手の届きやすい価格帯の商品を開発することで、これまでにない市場を生み出したのです。
現在では、コンビニだけでなく、イトーヨーカドー、ヨークベニマルなど自社のグループでも同様の商品を販売することで大きく売上を拡大しています。
市場のニーズをくみ取ることが成功のカギとなった好例です!
4.【多角化戦略】富士フイルムの化粧品分野進出
多角化戦略は、新しい市場に新しい製品を投入する戦略のため、マーケティングのコストや開発コストがかかるリスクの高い戦略です。その反面、成功すれば大きく規模を拡大できます。
富士フイルムはもともとカメラや写真用のフィルムを製造販売する企業でした。
しかし、デジカメや携帯電話の普及で販売が頭打ちになったことをきっかけに、化粧品分野へ進出。まったく異なる分野への進出に見えますが、既存の技術をいかして多角化に成功しています。
具体的には、写真の色あせを防ぐ抗酸化技術を化粧品の生産に応用しています。
自社の持っているリソースをうまく活用した事例です!
なお、経営戦略を試すなら戦略MG(マネジメントゲーム)で実践してみましょう。ボード上でおこなうシミュレーションゲームなので、リスクゼロで経営を疑似体験できます。
詳しくは、以下のボタンから確認してみてください。
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また「戦略MG(マネジメントゲーム)って受ける意味あるの?」と思う方は、関連記事「【必読】戦略MG研修は意味がないは嘘!おすすめするわけと学びを得るためのコツを伝授」がおすすめです。
受けないリスクのほうが高いと思うはずですので、ぜひ読んでみてください。
競争優位を目的とした経営戦略の事例3選
市場を独占していない限りライバル企業が存在し、シェアを奪い合うことになります。
そこで、競争優位性を確保するための経営戦略を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
なお、競合に勝つための経営戦略として代表的なのは、ハーバードビジネススクールのマイケル・E・ポーター教授が提唱した「競争優位を築く3つの基本戦略」です。
以下のように、市場規模によって適した戦略があります。
戦略 | ポイント | 市場規模 | 原価 | 販売価格 |
---|---|---|---|---|
コストリーダーシップ戦略 | 競争他社より低価格で商品・サービスを提供 | 大 | 低 | 低 |
差別化戦略 | 高価格で付加価値の高い商品・サービスを提供 | 中 | 高 | 高 |
集中戦略 | ニッチな需要を満たす商品・サービスを提供 | 小 | 低〜高 | 低〜高 |
競争に対して自社の強みをどう打ち出していくかがポイントですね
- 【コストリーダーシップ戦略】ユニクロのSPA生産
- 【差別化戦略】スターバックスの「サードプレイス」
- 【集中戦略】スズキ自動車の軽自動車への特化
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.【コストリーダーシップ戦略】ユニクロのSPA生産
コストリーダーシップ戦略は、事業の経済的コストを競合他社に対して下回る水準にすることで、競合優位を勝ち取る戦略です。
経済コストを下げるためには、以下の施策が考えられます。
- 社員の階層を少なくする
- 本部スタッフの削減で人的コストを減らす
- 特定の事業に集中する
ユニクロを展開するファーストリテイリングは、SPA(製造小売業)として、自社で製造から販売まで一貫しておこなうことで、卸しによる中間コストを削減し低価格を打ち出してきました。
海外での生産でも品質を維持しながら低コストを実現したことも大きなポイントです。
生活用品のニトリなども同様の戦略で成功している企業です!
なお、生産コストの低下が競争力に及ぼす影響は、戦略MG(マネジメントゲーム)をやってみると明確にわかります。
EXTAGEが開催する戦略MGは、初回のみ無料で参加できるキャンペーンを実施中です。この特典は予告なく終了する場合があるので、いまのうちに体感しておきましょう。
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2.【差別化戦略】スターバックスの「サードプレイス」
差別化戦略は、自社の製品やサービスを他社と差別化して、競争優位を勝ち取る戦略です。ブランド力を向上させることで、市場で独自のポジションを築くことを目指します。
スターバックスは、単なるカフェではなく、自分らしく過ごせる「サードプレイス」という理念を打ち出しました。
スターバックスに行くとくつろいだ気分を感じられます。
ビジネスパーソンが利用するカフェというイメージから、高級感のある内装やフレンドリーな接客で、くつろげる第3の空間の演出を徹底しているのがポイントです。
3.【集中戦略】スズキ自動車の軽自動車への特化
集中戦略は、ニッチなマーケットに絞り込み、自社のリソースを集中することで、市場での優位性を高める戦略です。
競合より規模が小さい場合や中小企業などでよく使われる経営戦略です!
スズキ自動車は、企業の規模では日本の大手自動車メーカーに対向できないと判断。軽自動車に特化することで市場を開拓してきました。
「軽自動車といえばスズキ」といわれるまで成長し、インドのような小型車が人気の海外エリアで軽自動車開発の技術をいかして市場を拡大しています。
なお、各社の経営戦略は、中期経営計画で確認するのがわかりやすくておすすめです。
どういったポイントが明確になっているかは、関連記事「【わかりやすい】中期経営計画作り方ガイド!作成時のポイントや活用事例も紹介」を読めばわかります。
経営戦略の分析のため、ぜひ参考にしてください。
経営戦略の成功事例に共通する3つのポイント
成功している経営戦略には共通するポイントがいくつかあります。
ここでは、3つの共通点を具体的に解説します。
- 市場のニーズを把握する
- 自社と競合企業の力関係を把握する
- 経営資源を有効に活用している
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.市場のニーズを把握する
経営戦略を策定する際、自社が取り組む市場にニーズがあるのか確認することが重要です。市場が飽和していたり、衰退していたりするなら、参入しても成長は厳しいでしょう。
市場のニーズを把握するには、アンケートやインタビューによる調査が有効です。
市場が拡大している分野に参入することが成功の秘訣です!
2.自社と競合企業の力関係を把握する
自社の持っているリソースを基準に競合企業との力関係を把握し、勝ち目があるのかを考えましょう。
SWOT分析を使い、市場環境と自社の強み弱み、競争の状況を比較してみると戦略の方向性が見えてきます。
以下のマトリクス表で情報を整理してみると視覚的にわかるでしょう。
プラス要因 | マイナス要因 | |
---|---|---|
内部環境 | 強み (Strengths) (例) 顧客満足度1位 独自の技術力 | 弱み (Weaknesses) (例) 生産性が低い 規模で劣る |
外部環境 | 機会 (Opportunities) (例) 健康志向の高まり 生成AIの登場 | 脅威 (Threats) (例) 海外企業の参入 金融危機 |
正面から戦っても勝てない場合は、差別化することや、ニッチな部分に集中するなど戦略を変える必要があります。
経営戦略では、勝てる分野で勝負することが重要です!
なお、フレームワークを使った分析は、経営の勉強で身につけられます。
効率よく学ぶなら、関連記事「【保存版】経営の勉強のやり方10選!得られる経営スキルや効果的な学びのコツも紹介」もあわせてチェックしておきましょう。
3.経営資源を有効に活用している
富士フイルムの化粧品部分野への事業拡大は、フィルムの開発で培った技術をほかの分野へ有効活用したことが成功につながりました。
経営資源には限りがあるため、いま持っている経営資源をどのように分配するかが非常に重要です。
一度自社のリソースを棚卸してみることからはじめるとよいでしょう!
ぜひこの記事を参考に、経営戦略における成功のポイントを把握し、自社に最適な案を立案しましょう。
とはいえ「経営について自信が持てない」「自社の経営資源をどのようにいかしたらよいかわからない」という方も多いと思います。
そういう方は、ノーリスクで経営を体験できる戦略MG(マネジメントゲーム)がおすすめ。限られたリソースを活用して戦略で戦うことを繰り返し経験できます。
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また「戦略MG(マネジメントゲーム)について詳しく知りたい!」という方は、関連記事「【徹底解説】戦略MG(マネジメントゲーム)を攻略する7つのコツ!経営スキルを上げるポイントも紹介」を読んでみましょう。
経営戦略が学べる理由がわかりますよ。