「事業計画書の書き方がわからない…」
「事業計画書はどのようなときに必要になる?」
「事業計画書に書いたほうがいい項目を知りたい」
事業計画書を作ろうと意気込んだものの、書くべき項目が多くて手が止まってしまった方は多いのではないでしょうか。
一見難しそうに感じる事業計画書ですが、項目やコツを理解し流れに沿って記載すれば、誰でもスムーズに作成できます。
そこで本記事では、事業計画を綿密に立てて法人1期目から年商1.5億円を達成し3期目で売り上げ7倍を目指す僕が、以下の内容を詳しく解説します。
- 事業計画書の概要
- 事業計画書を作る目的
- 事業計画書を作るメリット
- 事業計画書の書き方
- 事業計画書のテンプレート入手方法
- 個人事業主における事業計画書の重要性
なお、EXTAGE株式会社では、ゲーム感覚で事業を進めていくうえで必要となる超実践的経営スキルが学べる「戦略MG(マネージメントゲーム)」を定期的に開催しています。
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【書き方の前に】事業計画書の概要と役割をサクッと解説
事業計画書とは、事業の戦略や業績の見通しなどを説するための書類のことです。
「書き方」を解説する前に、事業計画書の基本を簡単に解説します。
- 事業計画書の概要
- 事業計画書を作る目的と利用シーン
- 事業計画書を作るメリット
目的やメリットを理解しておくことで、より精度の高い計画書を作れますよ!
ひとつずつ解説します。
1.事業計画書の概要
事業計画書は「事業の成長と成功に向けたロードマップ」の役割があり、ビジネスにおいて必要不可欠な書類です。
必須の書類ではありませんが事業を客観的に見て判断できる書類なので、社内だけでなく社外へのアピール材料としても活用できます。
法人個人問わずビジネスをする方にとって、作成すべき書類です!
2.事業計画書を作る目的と利用シーン
事業計画書の目的と利用シーンは、以下の通りです。
利用シーン | 目的 |
---|---|
起業時 | 目標達成までの道筋が明確になる スムーズに事業を進められる 現状の把握と課題の早期に発見できる 軌道修正がしやすい |
資金調達時 | 出資を求める際に事業内容の証明となる 事業拡大、資金繰りの改善などに使用する |
社内・社外共有時 | 会社の方向性を社内全体で共有できる 外部の協力者を募る際に役立つ |
このように事業計画書はさまざまなシーンで重要な役割を果たすため、必須でないとはいえ作成しておいて損はないといえるでしょう。
事業計画書の目的と利用シーンを理解することは、ビジネスの成功にとって非常に重要です!
3.事業計画書を作るメリット
事業計画書を作成するのメリットと効果は、以下のとおりです。
メリット | 効果 |
---|---|
優れたビジネス戦略の策定 | 市場分析・競合分析・財務予測で、より優れたビジネス戦略を策定できる |
明確な目標設定と進行管理 | ビジネスの目標を明確にすることで、目標達成の進行度が管理しやすくなる |
資金調達の協力 | ビジネスの信頼性を示し、資金提供者や協力者に対する信頼を築ける |
チーム内の認識を統一 | チーム内での認識のズレを防ぎ、一致団結した取り組みができる |
リスク管理 | ビジネスを取り巻く様々なリスクを把握し、未然に問題を予防できる |
なかでも大きな役割を果たすのは「目標設定」と「資金調達の協力」です。
目標に向けた計画は、経営の向上において具体的な取り組みができるだけでなく、効率的に成果を上げるのに役立ちます。
また資金調達時など急ぎで資料が必要となった際も、サッと準備ができるので手間なくスムーズに実行できます。
事業計画書によって信頼度も変わるため、しっかりと作りこんだ資料を用意しておくとよいでしょう。
事業計画書の基本的な書き方を10項目に分けて解説
事業計画書に必要な10項目は、以下の通りです。
- 社名や所在地などの基本情報
- 経営者の経歴・実績
- 事業の概要
- 事業のコンセプト
- 創業の動機・目的
- 取扱商品・サービスの概要
- 取引先・取引関係
- 従業員の状況
- 借入の状況
- 必要な資金・調達方法
事業計画書にはあらかじめ指定されたテンプレートはありませんが、これらは記載しておいたほうがいい項目です。
何もない中で作成するのは難しいと思いますので、ぜひ参考にして下さい!
それでは、ひとつずつ解説していきますね。
1.社名や所在地などの基本情報
事業計画書の最初は、以下の基本情報の明記が必須です。
- 会社名
- 住所
- 電話番号やメールアドレス
- ウェブサイトのURL
- 設立日 など
会社名や住所などの基本情報は、登記簿どおりの正しい名称で記載します。
見慣れている内容ではありますが、基本情報の記載ミスは信頼を損ねかねません。正しい名称や表記で間違いのないように記載してくださいね。
詳細情報は漏れなく記載しましょう!
2.経営者の経歴・実績
経営者の経歴や学歴は、事業に関する知識や経験があれば強みになるため、できる限り詳しく記載しましょう。
- 肩書き
- 実績
- 身に付けたスキル
- 直近の収入状況
資金調達の際に融資担当者が自己資金との関係をみる際の材料となりますので、なるべく詳しく記入しましょう。
強みとなる部分は、しっかりとアピールしましょう!
3.事業の概要
事業の概要には、市場やターゲット・商品・サービスなどを記載し、事業の全体像が分かるようにまとめます。
とくに以下の3点を明確にすることが大切です。
- 誰に
- 何を
- どのように
イメージしやすいように、他の会社にない魅力や特徴をまとめておくと親切です!
今までの会社の動きや将来性を判断するうえで必要な情報となります。
双方のイメージにズレが生じないようにできるだけ具体的に記載するようにしましょう。
4.事業のコンセプト
事業計画書には、事業のコンセプトの記載も必要です。
コンセプトとはビジネスの核となるアイデアや理念を示すことで、提供する価値によって誰に何を届けるのかを明確にします。
コンセプトの記載によって以下の3つの効果が得られます。
得られる効果 | 内容 |
---|---|
事業をスムーズに行える | 計画が明確かつ具体的となり、事業の流れがスムーズになる |
協力を得やすくなる | 事業の拡大のサポートをしてくれる協力者を得やすくなる |
判断がブレにくくなる | 基準が定まるため、困難に直面した際も素早く適切な判断ができる |
コンセプトは分かりやすくまとめ、しっかりとアピールしていきましょう!
5.創業の動機・目的
創業の動機や目的は、企業が持つ事業の核となる価値観や目的を伝えるうえで重要な項目となります。
「こんな社会にしていきたい」「この分野で社会貢献したい」など、事業初期に掲げた想いを載せることが大切です。
事業の真剣さのアピールや目的の共感によって協力を得やすくなります!
事業に対する本気度を証明する項目なので、純粋かつ熱い思いが伝わるよう工夫するとよいでしょう。
6.取扱商品・サービスの概要
事業計画書には、以下のような商品やサービスの概要も記載しておきましょう。
- 種類
- 特徴
- 売り上げのシェア率
- 提供までの流れ など
大きな売上が見込めたり主力商品をピックアップしたりして、競合他社との比較内容を交えながら価値をアピールすることが大切です。
ビジネスプランに説得力を持たせることで、第三者の関心を引きつけましょう!
7.取引先・取引関係
事業の信頼性を高めるために、取引先の一覧もまとめておきましょう。
- 取引先の関係(販売先/仕入先/外注先)
- 取引社名
- シェア率
- 支払条件(締め日/回収日)
自社の信頼度は、取引先の影響を受けるケースもあります。
たとえば資金繰りに苦戦する企業が取引先の場合は、万が一の際に自社もダメージを受ける可能性が高いといえます。
そのため金融機関や投資家は、取引先も含めて協力の可否を判断することも珍しくありません。
取引先の企業名に加えシェア率などの詳細を記載しておくと、判断しやすい親切な書類に仕上がるでしょう。
会社のつながりや人間関係も、事業の成長に欠かせません!
融資担当者は取引先との関係性をよく見ていますので、信頼できる取引先を作り、固有名詞で記載することが大切です。
8.従業員の状況
事業計画書には役員や従業員の状況も記載します。
現在の従業員数のほか、これからどれくらいの人数まで増やしたいのか、またどのような従業員を雇用する予定なのかなども記載します。
ここでは、取締役や監査役といった役職は従業員に含まれないので、
注意しましょう!
また、従業員とは雇用期間に関係なく業務をおこなう人のことであるため、配偶者や家族が事業に関わる場合は、「従業員」と「(うち家族)」の欄に記載しましょう。
9.借入の状況
借入状況についても正直に記載しましょう。
資金調達をしたいがために、借入金額を偽るのはNGです。
もし借り入れがある場合は正しく記載し、返済額を見込んで事業計画を立てる必要があります。
とはいえ、借入金があり未来の予測ができない中で事業計画を立てるのは難しいですよね……。
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10.必要な資金・調達方法
資金に関わる項目は、資金調達の審査を受ける際の最重要項目です。
「なぜこの金融機関からこの額の融資を受けるのか」という、明確な根拠を示す必要があるためです。
特に以下の項目は記載しておくとよいでしょう。
- 必要な資金(設備/運転)
- 各金額と合計額
- 調達方法(自己資金/借入資金) など
とくに「資金」は事業を進めるにあたり重要な項目となるため、内容を明確にしておくのがおすすめです。
資金の種類 | 目的 | 詳細 |
---|---|---|
設備資金 | 事業を始めるときに必要な資金 | 事業所や店舗確保に必要な資金(敷金、礼金など) 内装、外装に必要な資金 設備や車両、備品や事務用品などに必要な資金 |
運転資金 | 事業を回していくのに必要な資金 | 店舗等の賃借料 仕入れや材料費 経費(通信費、水道光熱費、交通費、交際費など) |
生活費 | 事業が軌道に乗るまでの生活費 | 生活費の半年分以上が目安 |
また、かならずしも「借入」がマイナス要素になるわけではありません。
目的や事業の見通し、返済の計画を示すことで、全体の資金力が認められ理解されるケースもあります。
お金の動きのほか金銭的な計画性を見られるため、質問に対して適切な回答ができるようにしておきましょう。
なお、事業をするにあたって資金繰りはとても重要な要素のひとつです。利益が出ていても、手元に現金がないことで倒産(黒字倒産)する事例はよくあります。
チェック方法はかんたんで、キャッシュフロー計算書を作ることで会社の現金の流れを把握できます。
詳しくは、関連記事「【簡単】キャッシュフロー計算書の作り方を優しく解説!おすすめツールや注意点も紹介」で解説しているので、ぜひ参考にしてください!
事業計画書の実現性を高める書き方のコツ3選
実現性の高い事業計画書を書くための3つのコツは、以下の通りです。
- 要点を整理し具体的に書く
- 根拠のある数値で示す
- 競合他社の調査内容を書く
ひとつずつ解説していきます。
1.要点を整理し具体的に書く
事業計画書を書く際は、以下の要点を整理し具体的に示す必要があります。
項目 | 詳細 |
---|---|
ビジョン | 事業が達成しようとする大きな目標や理想 |
目標 | 最終的に目指したい地点 |
戦略 | 目標を達成するための全体的なアプローチ |
行動計画 | 戦略を具体的な行動に落とし込み示すもの |
金融機関や資産家、協力者からサポートしてもらうためには、より細かく要点を整理し相手に理解してもらうことが重要です。
事実や根拠を証明できる事業計画を作ることで進行状況を容易に追跡し、必要に応じて調整していけます。
事業計画書は、「具体性」と「明確さ」が求められます!
2.根拠のある数値で示す
数字を用いることで具体性が高まりますが、数値に対する根拠も重要です。
根拠が説明できないと説得力が半減してしまいます…。
移り変わりの激しい経済環境や市場環境の中で、計画した内容をどのように実現するのか、具体的な根拠や理由を示していきましょう。
3.競合他社の調査内容を書く
競合他社の情報は必須ではありませんが、記載しておくとより真剣度をアピールできます。
売上を上げていくために「しっかりと考えている」ことを示せるので、事業への向き合い方が伝わります。
企業戦略を練るうえでも活用できます!
ただ他社のリサーチや分析は難しいうえ、書類にまとめて自身の経営に活かしていくのはハードルが高いと感じる方もいるのではないでしょうか。
そんな方は、EXTAGE株式会社で開催している「戦略MG(マネジメントゲーム)」がおすすめです!競合他社の分析を含めたリアルな経営を体験できるため、事業計画の作成にも役立ちます。
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事業計画書の書き方がわかるテンプレートを手に入れる方法
事業計画書はWordやExcelを使って作成することが一般的ですが、初めて作成する方はテンプレートを活用するのもおすすめです。
あらかじめ必要な項目が載っているので、迷わずに記載できます!
テンプレートを手に入れる方法はいくつかありますが、今回は代表的な4つの方法を紹介します。
- オンラインサービス
- ビジネス書籍
- 専門機関
- ビジネススクールや研修
入手法によってはサポートを受けられるケースもあるので、ぜひご自身に合ったものをご活用くださいね。
1.オンラインサービス
インターネット上には、事業計画書のテンプレートを提供するサイトやサービスが数多く存在します。
「事業計画書 テンプレート」や「Business Plan Template」などと検索すると、無料テンプレートも多く見つけられます。
なかでも中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21」がおすすめです。中小企業や個人事業主向けのビジネス支援サイトなので、事業計画書のテンプレートやガイドラインを無料で提供しています。
業種別の作成例や書き方のポイントなどが載っており、初めての方でも作成しやすい情報がまとまっています!
2.ビジネス書籍
ビジネス関連の書籍や教材には、事業計画書のテンプレートが含まれているものが多くあります。
書籍の良さは、著者が専門家であることが多く信憑性が高いこと。テンプレートだけでなく書き方やポイントについて、プロが具体的に解説されているものが多い傾向にあります。
またマンガによる説明書もあるため「本が苦手」という方も学びやすく、作りやすいと言えます。
今の自分に合った本を選んで事業計画書を書き進めていきましょう!
3.専門機関
商工会議所や経済産業省などの専門機関では、事業計画書の作成を支援するためのテンプレートやガイドラインを提供しています。
専門機関は書類関係のサポートだでなくセミナーやワークショップも定期的に開催しており、事業計画書の作り方を直接学ぶことも可能です。
相談や質問をしながら作成したい方におすすめです。
不安や疑問を晴らしながら作成できるので、安心て活用できるでしょう!
4.ビジネススクールや研修
事業計画書の作成だけでなく経営全般の知識を深めたい方は、ビジネススクールや研修制度の活用もおすすめです。
詳しい解説や作成方法を学べるうえ、専門家からの直接的な指導によって具体的で実践的な知識を身につけられます。
実際に自社の事業計画書を作成する授業がある場合は、そのまま活用できて便利ですね!
ただし事業計画は創業者の想いや理想、事業を取り巻く環境など外部の判断が難しいこともあります。
そのため専門家にすべて託すのはなく、最終的なチェックは必ずご自身でおこなうようにしてください。
なお、事業が始まったら経営成績を振り返り、計画通りに進んでいるかをチェックすることが重要です。そのために、損益計算書も作れるようになっておきましょう。
詳しくは、関連記事「【簡単4ステップ】損益計算書(PL)の書き方・作り方をわかりやすく解説!注意点や読み方のポイントも紹介」で解説しています。
個人事業主も事業計画書の書き方を学んでおくのがおすすめ
事業計画書は個人事業主に必須の書類ではありませんが、目標や状況の把握が明確になるので効率的に売上アップを目指せます。
計画書は競合や市場など自分以外の分析も含むため、現状の立ち位置が明確になりより実現性の高い目標設定が可能です。
自分の強みや弱みを棚卸しすることで、起こりうるリスクに備えられるメリットもあります。
作る人が少ないからこそ、しっかり計画した人がズバ抜けて成果を出します!
また、将来的に資金調達が必要になる場面がでてくるかもしれません。
そんな時も正しい事業計画書を作成しておけば、すぐに対応ができるので事業をスムーズに継続できるでしょう。
ただ戦略的な計画を立てる以前に、経営に関する知識に自信がない方もいるのではないでしょうか。
そんな方はEXTAGE株式会社で開催している「戦略MG(マネジメントゲーム)」がおすすめです!事業計画に必要な財務の基本や経営のマインド、戦略まで幅広く身につく経営ゲームです。
わずか1日で3年分以上の経営を体験でき、最短で会計スキルを身につけられるので、計画的に事業を展開していきたい方はぜひこの機会に参加してくださいね!
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戦略MGの詳細を知りたい方は、関連記事「【講師直伝】戦略MG(マネジメントゲーム)研修とは?得られるスキルとゲームの流れを徹底解説」もあわせてチェックしてくださいね!