「黒字でも倒産するのかな?」
「なぜ会社が黒字でも倒産するのだろうか…」
「黒字倒産の防止策があれば教えてほしい」
利益が出ているのに倒産する会社があると聞いても、ピンとこない方は多いのではないでしょうか。
しかし、自社も同様のケースにならないためには、どういう経緯で黒字倒産に至るのかを把握しておくことが大切です。
そこで本記事では、利益率80%超えの会社を経営する僕が、以下の内容を詳しく解説します!
- 黒字倒産の定義とメカニズム
- 黒字倒産の原因と事例
- 黒字倒産を防ぐポイント
ぜひ本記事をケーススタディに活用し、起こりうるリスクを一つひとつ潰していきましょう。
なお、倒産を防ぐには会計の知識が必要不可欠です。
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【事例の前に】黒字倒産の定義とメカニズム
黒字倒産の定義とは、帳簿上では黒字であるにもかかわらず、手元資金がないために倒産してしまうことです。
要因は、月ごとの入金と出金の管理や余剰金の把握ができていない点にあります。銀行口座のお金がなくなってしまうので、従業員の給料や買掛金の支払いができません。つまり倒産してしまうということです。
たとえば、以下のような業績の会社があるとします。
- 月商 500万円
- 営業利益150万円
帳簿上では黒字です。しかし、法人用の口座に預金が10万円しかない状況ならどうなるでしょうか。
この場合、今月末に支払い予定の支出に対応できません。そのため、150万円も利益が出ているのに倒産してしまうわけです。
持続的な経営は、手元資金の確保がポイントですよ!
「会社の資金繰りをちゃんと把握しておきたい!」という方は、関連記事「【すぐできる】資金繰りが苦しいときにできる3つの対策!根本的な改善方法も解説」でより詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。
黒字倒産の事例5選|原因と背景も紹介
黒字倒産にいたるまでには原因と背景があるものです。過去に起きた事例を参考に倒産のパターンを学んでいきましょう。
ここでは黒字倒産した会社の事例を5つ紹介します。
- 掛金回収の滞りによる債務超過
- 市場状況の悪化による資金ショート
- 過剰在庫による黒字倒産
- 拡大戦略の失敗による資金繰り悪化
- 取引先の倒産によるキャッシュ不足
それぞれ詳しく見ていきましょう!
1.掛金回収の滞りによる債務超過
福井県を拠点とする東証一部上場企業A社の黒字倒産事例です。
A社は中国を中心にASEAN各国と取引をしています。
しかし、2015年4月に民事再生法の適用を申請し、事実上の倒産をしました。
直近までの業績は黒字で好調だったにもかかわらず、債務超過と資金繰りの悪化が原因で倒産しています。
黒字倒産した原因は以下の3つです。
- 売掛金の未回収(手元資金の枯渇)
- 借入金が資産を上回る債務超過
- 大口取引先の子会社による不正な取引
売掛金の回収が進まないと手元資金は枯渇していきます。その穴埋めに融資に頼る悪循環ができあがり、借入金が増えた結果として債務超過につながりました。
未回収が続いた本質的な原因は、大口取引先に頼り過ぎていたことです。
これにより、取引先子会社の不正取引が直接自社のキャッシュフロ―が圧迫されたのです。
メインの取引先はひとつに絞らず、複数社と契約するのが望ましいです!
2.市場状況の悪化による資金ショート
ファミリー向けの分譲マンションを販売していた不動産デベロッパー企業B社の倒産事例です。
2008年9月に民事再生法の適用を申請し、事実上の倒産。直近までは黒字経営にもかかわらず、資金繰りの悪化が原因でした。
倒産の背景は以下のとおりです。
- 急成長が原因の資金不足
- 不動産市場の悪化
- 融資に頼る資金繰り
当時のB社の売上高は伸びており、積極的にマンション用の土地を買い集めていました。
しかし「リーマンショック」により市況が悪化し、急速に売れ行きが悪くなり在庫が急増加してしまったのです。
そのため、キャッシュフローが赤字になり資金不足の状態が続いた結果、支払い困難な状態に陥りました。
会社の急成長は、ときに資金繰りを圧迫する原因になるため、リスクを想定した投資計画が必要です!
3.過剰在庫による黒字倒産
広島県を拠点としていた不動産会社C社の黒字倒産事例です。
C社は中国地方を中心に不動産流通事業を展開し、地域密着型の経営で知られていました。
しかし、資金繰りの悪化と過剰在庫が原因で倒産しています。
倒産の背景には以下の要因がありました。
- 不動産流動事業の失敗
- 自転車操業による資金繰り対策
- 過剰在庫による資金不足
不動産流通事業を売上の柱としていたC社でしたが、2008年からの不動産市場の悪化により業績が悪化しています。
とくに主力としていた分譲マンションは、仕入れと販売のバランスが崩れ在庫が急増。これにより本来流動的であるべき資金が固定化し、深刻な資金不足に陥りました。
帳簿上では利益を計上していたものの、入金よりも支出と在庫のほうが多く、融資が途絶えた時点で黒字倒産にいたっています。
過剰在庫が黒字倒産の原因になることがわかる事例です!
4.拡大戦略の失敗による資金繰り悪化
総合スーパーなどを手がけていたD社の倒産事例です。
D社は総合スーパーチェーンを展開し、小売業界のリーディングカンパニーとして知られています。
倒産の背景には以下の要因がありました。
- 多額の負債
- バブル崩壊による事業拡大の失敗
- 金融機関からの信用格付けの低下
総合スーパーから始まったD社は、業績が好調でホテル事業やアミューズメント事業などへの拡大戦略を実施しました。
しかし、バブル崩壊後の市場経済の低迷により事業も徐々に撤退や縮小を余儀なくされます。
1990年代後半、D社は本業回帰を図り大型スーパーの出店を再開。多額の資金を要したことで既存の負債に加えてさらなる借入れをおこないます。
結果として、総資産の半分以上を有利子負債が占める状況となり、財務体質が著しく悪化しました。
最終的に金融機関からの信用格付けが下がり、融資が打ち切られたことで黒字倒産へつながりました。
無理な事業拡大は資金繰りを圧迫することから、新規事業は盤石な計画のもと進めるのが賢明です!
事業のリスクや収益性を洗い出したい方は、関連記事「【超入門】事業計画書の書き方10項目を詳しく解説!必要項目や注意点もまるっと紹介」をぜひ参考にしてください。
5.親会社からの掛金未回収によるキャッシュ不足
総合アパレルメーカーだったE社の倒産事例です。
E社は1950年代から日本のアパレル業界をリードする総合アパレルメーカーとして知られています。
しかし、2021年4月に民事再生法の適用を申請し、事実上の倒産をしました。
倒産した背景は以下の通りです。
- ファストファッションの登場によるブランド離れ
- 取引先である親会社に対する掛金の焦げ付き
- コロナ禍の業績不振により資金繰りがショート
E社は1990年代までアパレルメーカーとしての評価が高く、業績は好調でした。
しかし、バブル崩壊後の業績の低下とユニクロなどのファストファッションの台頭により、売上が低迷します。
経営債権をはかるため、2010年に中国企業の傘下となり出資をうけたことで業績は回復。一旦は持ちこたえたものの、米中の貿易摩擦などが影響したことで親会社からの掛金の回収が滞ります。
直後に発生したコロナ禍による業績低迷とあわせて、資金繰りが苦しくなり黒字倒産につながっています。
資金調達ができて黒字になっても、手元資金が不足すれば倒産してしまいます…!
これらの事例を知ることは重要ですが、机上での勉強にすぎないため実務に活かしにくい側面もあります。
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【事例から学ぶ】黒字倒産を防ぐためのポイント5選
黒字倒産をしないためには、事前に防止策に取り組んでおくべきです。事前に防げれば、黒字の会社を倒産させてしまうことはないでしょう。
ここでは、黒字倒産を防ぐためのポイントを5つ紹介します。
- キャッシュフローの徹底管理
- 適正な在庫管理
- 入金・支払いサイクルの見直し
- 資金調達
- M&A活用の検討
順番に見ていきましょう。
1.キャッシュフローの徹底管理
キャッシュフローとはお金の流れを意味します。経営者は、会社のお金がプラスであるかマイナスであるかを把握しましょう。
どんなに業績が良くても、キャッシュフローが良くないと黒字倒産のリスクがあるからです。
管理するにはキャッシュフロー計算書を活用しましょう!
キャッシュフロー計算書とは、貸借対照表・損益計算書に並ぶ財務3表のひとつです。
会社のお金の流れを営業活動・投資活動・財務活動の3つの側面から確認できます。キャッシュフロー計算書があれば、数字が苦手な経営者もお金の流れを把握できるでしょう。
詳しくは、関連記事「【保存版】キャッシュフロー計算書の直接法を徹底解説!作成方法4ステップも紹介」で紹介しているので、あわせて読んでみてください!
2.適正な在庫管理
適正な在庫とは過不足なく、販売量に合った在庫のことです。
過剰な在庫は資金を圧迫する一方で、在庫が少ないと販売機会を失います。
具体的な適正在庫の設定方法は、以下のようなやり方があります。
適正在庫の設定方法 | 概要 |
---|---|
ABC分析から適正在庫の見直し | ・Aグループは販売数や利益率の高い商品 (十分な在庫を確保する) ・Bグループはある程度売れる商品 (過剰在庫を避ける) ・Cグループは販売数の少ない商品 (在庫は最低限。必要に応じて商品入れ替えも検討) ・定期的に分析をおこない在庫数を調整する |
予実管理の実施 | ・予算の目標と実績の差を比較・分析する ・1年間の目標数値や販売数にあわせた在庫数を調整 ・定期的な見直しで在庫数を調整する |
棚卸の精度向上 | ・毎月の棚卸作業で、商品在庫の状況を確認する ・過剰在庫は減らし不足在庫は増やすように管理する |
適正な在庫管理ができれば、手元資金の流動性を高め安定した経営になります。
在庫商品は資金の一部です。過不足ない在庫管理をしていきましょう!
3.入金・支払いサイクルの見直し
入金・支払いサイクルとは、納品が完了してから入金・出金するまでの期間のことです。
サイクルを見直すことは会社のキャッシュフローの安定につながり、黒字倒産を防げます。
たとえば、入金サイクルを60日から30日に短くすれば、売上金が今までよりも早く入金されます。
逆に、支払いサイクルを30日から60日に延長できれば、出金のタイミングが遅くなるため資金繰りの悪化を防げるでしょう。
しかし、サイクルを見直すのは難しいのが現実です。
取引先も資金繰りを良くしたいですし、信頼関係がなければそうそう認めてもらえないでしょう…!
自社でキャッシュフローを良くするためのあらゆる手を打ったうえで、相手が納得する合理的な理由を考えてから交渉するのが賢明です。
なお、資金繰りを改善する方法は、関連記事「【すぐできる】資金繰りが苦しいときにできる3つの対策!根本的な改善方法も解説」で解説しています。苦しくなる前に対策を打てるよう、ぜひ参考にしてください。
4.資金調達
黒字倒産を回避するには、自己資金の確保が必要です。そのためには資金調達が欠かせないでしょう。
外部から運転資金を補えるため、資金繰りに余裕ができます。
具体的には以下のような調達方法があります
- 金融機関からの融資
- ベンチャーキャピタルからの出資
- 国や地方自治体の助成金や補助金
- 資産の売却
- ファクタリング
- クラウドファンディング
経営者であれば資金調達の方法は把握しておくべきです。
いざというとき、すぐに行動できるでしょう。
黒字倒産を回避するなら、資金調達方法を覚えておきましょう!
資金調達については、関連記事「【起業なら必見】スタートアップ向け資金調達方法を解説!失敗しないための注意点も紹介」でより詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください!
5.M&A活用の検討
M&AとはMergers and Acquisitionsの略で、会社間の合併や買収を指します。
M&Aを活用することで会社のリソースや市場シェアの拡大、資金の確保が可能です。黒字倒産を回避するためのひとつの手段になりえます。
具体的には、資金力のある会社に株式を売却し、傘下になることで運転資金を確保します!
M&Aにより他社とノウハウや技術を共有でき、競争力が高まるといったプラスの相乗効果を生む場合もあります。
ただし、株式を売却することによって子会社化されるデメリットがある点は無視できません。経営方針や雇用条件が変更されて、従業員の退職につながることもあります。
信頼のおける会社に売却したり、譲渡後の条件をすり合わせたりして、マイナスの影響を抑えることが大切です。
黒字倒産の事例をノーリスクで体験する方法を紹介
黒字倒産に対するあらゆるリスクを頭の中で想定できればベストですが、なかなか難しいのが現実です。
事例だけでなく、もっと具体的に黒字倒産に至るプロセスを知りたい方は多いのではないでしょうか。
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