「貸借対照表と損益計算書の違いは?」
「貸借対照表と損益計算書からなにがわかるの?」
「実際の経営に活かすコツを詳しく知りたい!」
会社を経営していると、貸借対照表と損益計算書は必ず関わることになります。
自社の現状を正しく理解して適切な事業計画を立てるために、それぞれの役割や見方を理解し、分析する必要があります。
しかし両者の違いや読み方がよくわからず、活用しきれていない方も少なくありません。
そこで本記事では、財務諸表をマスターして創業1期目で年商1.5億円を達成できた僕が、以下の内容を詳しく解説します。
- 貸借対照表と損益計算書の概要と違い
- 正しい分析方法とわかること
- 実際の経営に活かす方法
自社の改善点を正確に把握して、効果的な対策を打ちたい方にはとくに必見の内容となっています。
本記事を参考にすれば、貸借対照表と損益計算書の分析方法が身につき、安定した経営へとつながりますよ。
なお、貸借対照表や損益計算書の見方や分析方法がわかったとしても、実際の現場で対策を打つのに不安を感じる方は多いでしょう。
そういうときは、戦略マネジメントゲームであらかじめ経験を積んでおくのがおすすめです!
次々に起こるトラブルに対処しながら競合他社と競い合うことで「戦略的な経営者思考」を身につけられます。
今なら期間限定「約57%OFF」で参加できるので、ぜひ今のうちに申し込んでくださいね!
\ 1日で3年以上の経営が体験できる! /
貸借対照表と損益計算書の違いをわかりやすく解説
貸借対照表と損益計算書は、キャッシュフロー計算書と合わせて「財務三表」とよばれている重要な会計文書です。
財務三表は、企業の「経営のあり方」をダイレクトに表していることから「会社の成績通知書」といわれることもあるんですよ!
こちらでは、貸借対照表と損益計算書に着目し、以下の内容を詳しく解説します。
- 貸借対照表とは
- 損益計算書とは
- 貸借対照表と損益計算書の違い
ひとつずつ見ていきましょう。
1.貸借対照表とは
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)は、企業の財務状況を表す書類で、企業や事業の安定性や将来性を測る指標として使われます。
英語で「Balance Sheet(バランスシート)」といい「B/S(BS)」ともよばれます。
それぞれの項目が示している内容は以下の通りです。
項目 | 解説 | 構成要素 |
---|---|---|
資産 | 企業が所有しているプラスの財産 →経済的な利益をもたらす | 流動資産:1年以内に現金化・消費できる資産 固定資産:1年以上保有する目的の資産 |
負債 | 企業が所有しているマイナスの財産 →返済する必要がある | 流動負債:1年以内に支払う必要のある負債 固定負債:1年以上の期間で支払う予定の負債 |
純資産 | 企業の資産から負債を引いたもの →企業の実質的な価値を表す | 株主資本:株主からの出資 利益剰余金:過去の利益 など |
一般的には、資産が潤沢であれば会社の財務状況は安定していると考えられますが、仮に負債額が大きくても、企業にとって大きな損失になっているとは限りません。
事業拡大のための設備投資や人員増加など適切な投資を行った結果であれば、赤字であっても将来的な成長を見込めるでしょう。
貸借対照表を正しく理解するためには、それぞれの項目を構成している要素から全体的なバランスまで、丁寧に精査することが大切です。
2.損益計算書とは
損益計算書(そんえきけいさんしょ)は、企業の経営成績を表す書類で、収益と費用を損益計算して「さまざまな形の利益」を算出したものです。
英語で「Profit and Loss statement(プロフィット&ロス ステイトメント)」といい「P/L(PL)」ともよばれています。
企業の得られる利益の内容については、以下の表のとおりです。
項目 | 内容 | 表していること |
---|---|---|
売上総利益 | 売上から仕入れや製造にかかった費用を引いたもの | 粗利(あらり) 大まかな収益 |
営業利益 | 売上総利益から販売費と一般管理費を引いたもの | 企業の本業における収益力 |
経常利益 | 営業利益から営業以外にかかった費用を引いたもの | 企業の会社全体での収益力 |
税引前当期利益 | 経常利益に特別損失を引き、特別利益を足したもの | 収益から税金以外のすべての費用を引いた額 |
当期純利益 | 税引前当期利益から税金を引いたもの | 企業が最終的に得られる利益 |
企業が1年間に得た「本当の利益」がわかるため、事業の収益性や会社の成長度を測るうえで、とても重要な指標のひとつです。
利益が小さいと会社の「稼ぐ力」が不安視されますが、反対に大きすぎると税金が高額になってしまい、支払いの際に困難が生じるかもしれません。
なかには、投資活動を積極的に行うことで利益を抑え最終的な税額を減らす、という対策を取っている企業も数多くあります。
損益計算書を見るときは、それぞれの項目や過去のデータを丁寧に分析して、企業の本質的な収益性や成長度を把握することが大切です。
3.貸借対照表と損益計算書の違い
貸借対照表が「ある一時点での企業の財務状況」を表しているのに対し、損益計算書は「一定期間における会社の経営成績」を表しています。
両者の違いは以下の表のとおりです。
記載項目 | 表していること | 時系列 | |
---|---|---|---|
貸借対照表 | 資産 負債 純資産 | 財務状況 | ある一時点 |
損益計算書 | 収益 費用 | 経営成績 | 一定の期間 |
貸借対照表と損益計算書は、どちらも企業の会計に関する書類ですが、内容はまったく異なります。
健全な事業運営をするためにも、貸借対照表と損益計算書を始めとした財務三表の違いと分析方法は、正確に理解しておきましょう。
なお、貸借対照表と損益計算書の作り方は、以下の関連記事で解説しています。
項目 | 解説記事 |
---|---|
貸借対照表の作り方 | 【一撃でわかる】貸借対照表とは会社のお財布事情を示す書類!基礎から作り方まで完全解説 |
損益計算書の作り方 | 【簡単4ステップ】損益計算書(PL)の書き方・作り方をわかりやすく解説!注意点や読み方のポイントも紹介 |
キャッシュフロー計算書の作り方 | 【簡単】キャッシュフロー計算書の作り方を優しく解説!おすすめツールや注意点も紹介 |
それぞれの内容を理解するためにも、ぜひ自分で作れるようになっておきましょう!
貸借対照表と損益計算書を使ってわかる3つのこと
貸借対照表と損益計算書を正しく分析すれば、企業の経営状態を明らかにできます。
具体的には、以下の3つが企業の現状と将来性を測るうえで、とても重要な指標です。
- 財務の安全性
- 会社の収益性
- 経営の効率性
ひとつずつ詳しく解説します。
1.財務の安全性
貸借対照表からは、企業における短期的・長期的な「財務の安全性」が読み取れます。
財務の安全性とは、企業の「支払い能力」から判断されるもので、簡単にいうと「会社の倒産リスク」のことです。
判断基準となる指標と数値の目安について、詳しく見てみましょう。
指標 | 計算式 | わかること | ポイント |
---|---|---|---|
流動比率 | 流動資産÷流動負債×100 | 短期安全性 企業の短期的な支払い能力 | 100%以上が望ましく、200%以上だと理想的 |
固定比率 | 固定資産÷自己資本×100 | 長期安全性 無理な投資をしていないか | 100%以下が望ましい |
自己資本比率 | 自己資本÷総資本×100 | 資本安全性 使えるお金のうち、返す必要のない金額の割合 | 高いほど望ましい |
これらの数字はすべて、企業が「どれだけ健全な事業運営ができているか」を示したものです。
もし会社の支払い能力が足りないと、銀行から融資を受けられないばかりか、現時点で抱えている借金すら返せません。利益はあるのに使えるお金がないと、黒字倒産につながるおそれもあります。
会社を経営するにあたって、自社や取引先の「財務の安全性」を理解することは非常に重要ですよ!
貸借対照表からわかる3つの指標を使って、正確に把握しておきましょう。
2.会社の収益性
損益計算書からは、会社の「収益性」すなわち、企業にどのくらい「稼ぐ力」があるのかが読み取れます。
収益性を分析するために必要な2つの指標と、それぞれの判断基準は、以下の表のとおりです。
指標 | 計算式 | 数値からわかること | ポイント |
---|---|---|---|
売上高営業利益率 | 営業利益÷売上高×100 | 企業が本業で稼ぐ力 | 数値が高いほどいい |
売上高経常利益率 | 経常利益÷売上高×100 | 企業が会社全体で稼ぐ力 | 数値が高いほどいい |
営業利益は企業が本業で出した利益のことです。そのため、売上高営業利益はその企業のコアビジネス(中心となる事業)にどれだけの収益性があるかを表しています。
一方、経常利益には本業以外の投資活動などで得た利益も含まれることが特徴です。
売上高経常利益率には会社全体の収益性が反映されているんですよ!
売上高が大きくても利益が小さければ、優良企業とはいえません。会社全体で儲けていても本業の利益が少ない場合は、一時的な黒字の可能性もあるため注意しましょう。
目先の利益だけにとらわれず、過去のデータや所属する業界の水準と比較することが大切です。
3.経営の効率性
貸借対照表と損益計算書から必要な指標をピックアップすることで、企業における「経営の効率性」を読み取れます。
具体的な指標の算出方法と判断基準は、以下の表のとおりです。
指標 | 計算式 | 解説 | ポイント |
---|---|---|---|
総資本回転率 | 売上高÷総資本 | 企業が使った資本から、どれだけの売上が発生したか 「投資→販売→売上回収」で1回転と数える | 数字が大きいほど効率がいい |
有形固定資産回転率 | 売上高÷有形固定資産 | 企業の所有している固定資産から、どれだけの売上が発生したか 「製造→販売→売上回収」で1回転と数える | 数字が大きいほど効率がいい |
経営の効率性を算出する際にやるべきことは、過去との比較です。
総資本回転率が1.0回転以上であれば、少ない資本から大きな収益を得られていることになり、効率的な事業運営ができているでしょう。
同じ業種で同じ規模の固定資産を持っている企業同士でも、有形固定資産回転率が多いほうがより多くの収益を生み出しているため無駄がないといえます。
前年度よりも効率性が下がっているのであれば、必ずどこかに原因があります。原因を探るために、貸借対照表で「財務の安全性」を、損益計算書で「会社の収益性」を分析することが大切なのです。
会社の経営状態の変化を察知する重要な指標なので、必ず覚えておきましょう!
なお、戦略MG(マネジメントゲーム)なら、シミュレーションゲームを通じて、貸借対照表や損益計算書と会社の状態の関係性を身をもって体感できます。
うまくイメージできていない方でも実体験を通じて理解できるので、ぜひ参加を検討してみてください。
\ 1日で3年以上の経営が体験できる! /
貸借対照表と損益計算書を経営に活かす5つのコツ
貸借対照表と損益計算書を正しく活用できれば、健全な事業運営につながります。
実際の経営に活かすためのコツは、次の5つです。
- 見るべきポイントを見極める
- 数字を比較する
- 原因を究明する
- 改善を反映した事業計画と財務予測を立てる
- 計画した内容を実行する
ひとつずつ詳しく解説します。
1.見るべきポイントを見極める
貸借対照表や損益計算書から経営に役立つ情報を得たい場合は、見るべきポイントを適切に見極めることが大切です。
記載されている項目はすべて重要ですが、実際の事業運営に活かすためには情報を取捨選択する必要があります。
とくに自己資本比率や経常利益率は「財務の安全性」や「会社の収益性」を表している重要な指標です!
良い部分も悪い部分も冷静に分析して、適切な経営判断につなげましょう。
2.数字を比較する
当期の数字を自社の前期やライバルの値、業界平均と比較すれば、現状の課題を抽出できます。
とくに自社の過去のデータと比べて、今後の事業計画に役立てることが大切です。
以前よりも状況が悪化している数字や伸び率が鈍化している数字があれば、早急に対策を講じる必要があります。
数字を比較することで自社が直面する課題に素早く気づき、迅速な対応ができるでしょう。
3.原因を究明する
貸借対照表と損益計算書は、抽出された課題の原因究明にも役立ちます。
「なぜこの結果になったのか」を繰り返しひとつずつ遡っていくことで、根本的な理由に辿り着きます。
適切な改善策を考えるために、丁寧に分析することが大切です!
課題を発見したときは原因まで確実に追求して、適切な事業判断の根拠にしましょう。
4.改善を反映した事業計画と財務予測を立てる
課題とその原因が判明したら、改善策を検討して事業計画を立てられます。
「なぜ」が正しく追究できていれば、取るべき行動は明らかになっているはずですよ!
設備投資を増やす、人員を増やすなどさまざまな案を挙げて、どれがもっとも効果的な施策か吟味しましょう。
予算の範囲内で最大限の効果を得られるように、根拠のある財務予測を立てることが大切です。
5.計画した内容を実行する
事業計画を立てたあとは、実際の行動に移します。
どれだけ綿密な施策を考えても、実行しなければ自社の状況は改善されません。
とはいえ、思い切った投資活動や方向転換が必要になる場合は、本当に自分の判断が正しいのか不安になることもあるでしょう。
そういうときこそ、戦略マネジメントゲームで失敗を積み重ねた経験が活きます。会社経営を疑似体験するなかで、思いもよらなかったことが起きたときの対応までシミュレーションできるからです。
ゲームで対応力を身に付けておけば、現実の経営でトラブルが起こってもスムーズに対処できるようになり最悪の事態を防げますよ!
ぜひ本記事を参考に、貸借対照表と損益計算書を自社の経営分析に活用しましょう。
なお「知識」だけでなく「実践力」も身につけたいのであれば、戦略マネジメントゲームがおすすめ。僕も起業前に130期以上こなしていたおかげで、年商1.5億・利益率80%を達成できました。
財務諸表が読めるようになりたい方は、ぜひ体験もセットで学びを深めていきましょう。
\ 1日で3年以上の経営が体験できる! /
なお、戦略MGの詳細については、関連記事「【講師直伝】戦略MG(マネジメントゲーム)研修とは?得られるスキルとゲームの流れを徹底解説」で解説しています。
どのような研修内容なのか気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね!