「PLって何のこと?」
「損益計算書ってどこを見れば良いの?」
「慣れない用語でよくわからない…」
PLとは「損益計算書」のことで、会社がどれくらいの利益がでているかなどを読み取れます。うまく活用することで、安定した経営をおこなえるでしょう。
しかし、正しい読み解き方を知らなければ、大きくビジネス展開したい際に計画どおりに進まない可能性があるので注意が必要です。
そこでこの記事では、以下の内容を詳しく解説します。
- PL(損益計算書)の概要やビジネスで作成する目的
- PL(損益計算書)から読み取れる利益
- チェックポイント
- ビジネスコストを抑える3つの方法
PLの読み解き方がわかるようになるので、ぜひ最後までお読みください。
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PL(損益計算書)とは?ビジネスで作成する目的も解説
PLとは、決算書(財務諸表)のひとつで「損益計算書」のことです。ここでは、以下の内容について解説します。
- PL(損益計算書)の概要
- PL(損益計算書)を作成する目的
ひとつずつ確認していきましょう。
1. PL(損益計算書)の概要
PLとは、英語の「Profit and Loss Statement」を略したもので、日本語では「損益計算書」といいます。売上高やかかった費用、純利益などがわかるため、企業の一定期間の経営成績を把握するのに役立つ書類です。
また、費用を「変動費」と「固定費」の2つに分けることで、会社の経営状態がわかる「損益分岐点」を把握できます。赤字または黒字になっているかによって、以下の内容が理解できます。
- 赤字の状態:黒字を目指すときにどれくらい売り上げを伸ばせば良いのか
- 黒字の状態:どれくらい売り上げが落ちると赤字になるのか
損益分岐点を押さえておくと、経営戦略を立てる際に役立つでしょう。
一定期間における経営成績や経営状態が確認できるため、PLはビジネスに欠かせない書類です。
2. PL(損益計算書)を作成する目的
複数の事業を経営している場合、PLを作成することで、どの事業で利益が出ているかを把握できます。
現時点での会社の収益性や、今後の成長性を見極めるために重要な書類となるので、内容を読み解けるようになることが大切です。
また、現在と過去の業績を比較することで、抱えている課題や注力すべき点に気付けます。今後の経営に活かせるので、期ごとにPLをまとめておきましょう。
さらに、事業を拡大するにあたり、金融機関からの融資を検討したい際にも必要です。金融機関はPLを確認して、融資するかを判断します。PLは、会社の健全性を示す書類としても重要なため、ビジネスには欠かせません。
ビジネスにおいて重要なPL(損益計算書)から読み取れる5つの利益
PLは「収益」「費用」「利益」の3つの要素で構成されています。
商品販売によって得られた「収益」から「費用」を差し引くことによって得られるのが「利益」です。
ここからは、PLからわかる「利益」を5つに分けてご紹介します。
- 売上総利益
- 営業利益
- 経常利益
- 税引前当期利益
- 当期利益
ひとつずつ解説していきます。
1. 売上総利益
売上総利益は「売上高」から「売上原価」を差し引くことで算出可能で、自社の商品やサービスがどれくらいの利益を生み出しているかをあらわしています。
売上総利益=売上高-売上原価
売上総利益を改善するためには「売上高」を伸ばし「売上原価」を下げる必要があります。つまり、原材料にかかる費用を抑えて、商品やサービスをたくさん販売するということです。
売上高だけに集中し過ぎると、資金繰りの悪化に気付きにくいというリスクを伴うため注意が必要です。経営状態を正確に判断するためにも、費用にも目を向けるようにしましょう。
2. 営業利益
営業利益とは、本業でどれだけの利益を上げられたかが一目でわかる項目です。「売上総利益」から「販売費および一般管理費」を差し引くことで算出できます。
営業利益=売上総利益-販売費および一般管理費
なお「販売費および一般管理費」とは、商品やサービスに直接関わらない費用のことを指します。
たとえば、商品を宣伝するための「広告宣伝費」や従業員へ支払う給料などの「人件費」、店舗を借りるための「家賃」などです。
3. 経常利益
経常利益は、本業以外で利益をどれだけ上げられたかをあらわす数値です。
以下のような計算式により、算出できます。
経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
本業以外で発生する利益には「株の売買」や「利息収支」などが該当します。継続的に損益が発生するのが特徴です。
営業外収益とは、主に財務活動による収益のことで、株の売買による「有価証券利息」や、預貯金や貸付金の利子による「受取利息」などが該当します。
一方で、営業外費用とは、本業の営業活動以外の財務活動で発生する費用のことです。株式の売却での「損失」や、融資返済の際に生じる「利息」などを指します。
4. 税引前当期利益
税引前当期純利益とは、法人税などの税金が引かれる前の利益のことです。「経常利益」と「特別利益」を足した結果から「特別損益」を差し引くことで算出できます。
税引前当期利益=経常利益+特別利益-特別損失
特別利益とは、本業とは関係なく一時的に発生した利益のことです。会社にとって通常であれば発生しない利益のため「特別利益」として区分しています。
たとえば、長期保有している株式や証券の売却による「売却益」、所有している不動産の売却による「固定資産売却益」などです。そのため、業績の良さには反映しない点に注意が必要です。
一方で特別損失とは、会社の事業とは関係なく一時的に発生した損失のことです。たとえば、以下のような項目が該当します。
- 被災や盗難などによって発生した損失
- 事業で使用する建物などを売却した際の損失
- 役員の退職金 など
その時だけのイレギュラーな損失となるため、金融機関で融資を受ける際に影響することはほとんどありません。
5. 当期利益(純利益)
当期利益(純利益)は「税引前当期利益」から「法人税等(法人税・法人住民税・法人事業税)」を差し引くことで算出が可能で、企業が手にする最終的な利益をあらわしています。
当期利益(純利益)=税引前当期利益-法人税等(法人税+法人住民税+法人事業税)
マイナスであれば「赤字」、プラスであれば「黒字」となるため、ビジネスにおいては当期利益を増やすことを目指すことが大切です。
このように、期ごとの利益を計算すると同時に、手残りの現金も把握しておきましょう。黒字になっているからといってむやみに投資を拡大してしまうと資金繰りで痛い目をみる可能性があります。
詳しくは、関連記事「【簡単】キャッシュフロー計算書の作り方を優しく解説!おすすめツールや注意点も紹介」で解説しています。
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PL(損益計算書)をビジネスに活かす!チェックポイント4選
ここでは、PL(損益計算書)の見方を4つ紹介します。
- 当期純利益がプラスになっているか
- 営業利益率は高いか
- 経常利益率は高いか
- 販売費及び一般管理費を抑えられているか
1年間の経営成績がまとめてあるPLからわかることを、確認していきましょう!
1. 当期純利益がプラスになっているか
年間の収益から費用や税金を差し引いた当期純利益がプラスなら、黒字経営が成り立っていることがわかります。
一方、マイナスであれば「赤字」だったことがわかるため、売上が伸びなかったのか、費用がかかりすぎていたのかなどを分析することが必要です。
PLは、企業が1年間の活動を終えた成績をあらわしています。当期純利益がプラスでないと、利益が蓄積されず、徐々に資本を減らしてしまうでしょう。
事業を安定させるためには、当期純利益がプラスになるように経営することが重要です。
2. 営業利益率は高いか
営業利益率を見ることで、効率の良い経営ができているかを確認できます。
営業利益率=営業利益÷売上高×100
製造業や商社など会社の業種によって基準が異なるので、一概に「○○%以上あれば良い」とはいえません。しかし、同じ市場の会社の情報や過去の業績との比較をおこなうことで、安定した経営ができているか確認できます。
営業利益率の高い経営ができていれば、事業の安定が期待できるでしょう。
3. 経常利益率は高いか
経常利益率とは、営業活動だけではなく財務活動を含めた企業全体の収益率をはかれる指標です。そのため、どれくらい効率の良い経営ができているか確認したい際に役立ちます。
経常利益率=経常利益÷売上高×100
一般的に、4%以上の数値が出ていれば優良企業、5%以上であれば超優良企業といわれています。一方で、0%を下回るような場合は、費用を抑えたり収益率を上げたりするなどの改善を検討していく必要があるでしょう。
4. 販売費及び一般管理費を抑えられているか
販売管理費及び一般管理費を見ることで、不必要なコストが発生していないか確認できます。利益を上げるために売上を伸ばすことは重要ですが、コスト削減することもひとつの手段です。
販売費と一般管理費の一例を、以下の表にまとめたので参考にしてみてください。
販売費 | 一般管理費 |
---|---|
・人件費(販売をおこなう従業員) ・広告宣伝費 ・発送費 ・配達費 など | ・人件費(経理などを担当する従業員) ・水道光熱費 ・家賃 ・通信費 など |
できるだけ固定費を抑えることで利益が生まれやすくなります。
利益を確保するためにも、PLから現状を把握し、改善できることがないか検討してみましょう。
PL(損益計算書)で期ごとの経営成績の分析ができたら、貸借対照表で企業の財務状態もチェックしてみてください。詳しくは、関連記事「【一撃でわかる】貸借対照表とは会社のお財布事情を示す書類!基礎から作り方まで完全解説」で解説しています。
事業の改善や拡大の参考に、ぜひご活用ください!
PL(損益計算書)からわかる!ビジネスコストを抑える3つの方法
ここでは、PL(損益計算書)を読み解くことで可能となる、ビジネスにかかるコストを削減するコツを3つ紹介します。
- 固定費の契約先変更
- 広告費の見直し
- 運用方法の改善
ひとつずつ解説するので、ぜひ参考にしてください。
1. 固定費の契約先変更
売上高に関係なく毎月必ず発生する費用は、見直すことで大きくコストを抑えられる可能性があります。
たとえば、オフィス使用にともなう家賃や定期購読誌に支払っている料金などです。
ほかにも、保険契約の見直しも効果的です。長く契約している場合には、現状に適していない内容となっていることがあります。見直しで保険料を下げられる可能性があるので、ぜひ検討してみてください。
保険の見直しは、現状に合ったプランをプロに提案してもらうのがおすすめです。
2. 広告費の見直し
攻めるべきターゲットを明確にすることで、広告を掲載すべき媒体が変わります。集客率が伸びていない場合には、広告の掲載先を見直す必要があるでしょう。
売上効果の高い顧客に対して集中的にアプローチをおこなうことで、売上アップが期待できます。
複数箇所に広告を掲載するなら、それぞれからどれくらいの流入があったのかを調査してください。あまり効果がない掲載先は、運用停止を検討してみてもいいでしょう。
広告宣伝費は、意外にも多額の費用がかかります。
ビジネスをするうえで、大きなコスト削減につながることがあるので、効果がない広告は見直しを検討してみてください。
3. 運用方法の改善
事業が拡大していくにつれて、かかる費用は次第に増えていきます。そのため、コストを抑えるためにも運用方法の改善を欠かさないようにしましょう。
いくつか効果的な例をあげておきます。
- 書類関係は紙面ではなく電子データで確認する
- オンライン会議を積極的に取り入れて出張を減らす
- 法人カードを契約してキャッシュレス支払いに移行する
このような改善をすることで、コスト削減だけでなく、効率化も期待できます。とくに、出張による移動時間の削減は、ビジネスマンにとって嬉しいポイントでしょう。
事業計画を立ててビジネスを進めていくためにも、PLを読み解けるようになることは重要です。
本記事を参考にしていただき、PLから重要な利益を読み解いたり、ビジネスコストを抑えたりするのに役立ててください。
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なお、戦略MGの詳細については、関連記事「【講師直伝】戦略MG(マネジメントゲーム)研修とは?得られるスキルとゲームの流れを徹底解説」で解説しています。
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