「フレームワークって何?」
「フレームワークってどう使えばいいの?」
「具体的な経営戦略の決め方も知っておきたい」
結論からお伝えすると、フレームワークは組み合わせて使うのがおすすめです。
それぞれの良さが相乗効果を生むことによって、激しい競争やきびしい環境にも対応できる経営戦略になるからです
とはいえ、経営戦略の定義やフレームワークの種類を知らなければ、互いの強みを活かすのは難しいでしょう。
今回は、法人1期目から年商1.5億円・利益率80%以上の経営戦略を策定した僕が、以下の内容を解説します!
- 経営戦略におけるフレームワークの重要性
- 経営戦略におすすめのフレームワーク12選
- フレームワークをつかった経営戦略策定の流れ
- フレームワークを使う際の注意点
本記事を読めばフレームワークの理解が深まり、経営戦略を立てるのがうまくなります。
1度きりではなく、何度も見返しながらフレームワークを使ってみてください!
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経営戦略におけるフレームワーク活用の重要性
経営戦略とは、企業が目指すべき方向性を明確に示すためのものであり、長期的なビジョンや具体的な目標を設定するのに重要な指針です。
しかし、ゼロから策定するには多大な時間と労力を要します。明確な指標や基準がないと、方向性を定めるのが難しいからです。
そこで、経営戦略を効率的に可視化するために活用されるのがフレームワークです。
さまざまな種類が存在しますが、共通しているのは、情報を整理するための決められた枠組みになっていることです!
客観的に洗い出した情報を枠にあてはめていくことで、自社の経営課題や進むべき方向性を体系的に組み立てられます。
実際に、フレームワークを活用して成功した経営戦略の事例は数多く存在します。効果的に活用できている事例が、有名な戦略として各所で紹介されているわけです。
「成功事例からフレームワーク活用のヒントを得たい!」という方は、関連記事「【まるわかり】経営戦略の成功事例7選を種類ごとに解説!共通するポイントも紹介」をぜひ参考にしてください。
経営戦略におすすめのフレームワーク12選
経営戦略の策定をするなら、活用できるフレームワークを覚えましょう。
以下に、フレームワークの特徴やおすすめの活用シチュエーションをまとめたので参考にしてください。
フレームワーク | 特徴 | 活用シチュエーション | おすすめの組み合わせ |
---|---|---|---|
3C分析 | ・市場/競合他社/自社の3つの視点から分析 | ・新規事業の立ち上げ ・既存事業の見直し ・マーケティング | ・4P分析 ・PEST分析 ・SWOT分析 ・ファイブフォース分析 ・VRIO分析 |
4C分析 | ・顧客視点 ・4つの要素から構成 顧客価値/コスト/利便性/コミュニケーション | ・商品開発 ・商品の見直し ・競合商品の分析 | ・3C分析 ・SWOT分析 ・4P分析 |
SWOT分析 | ・会社と市場の現状を把握 ・内部環境と外部環境に分けて分析 | ・事業戦略 ・現状分析 | ・PEST分析 ・ファイブフォース分析 ・3C分析 |
PEST分析 | ・自社の外部環境を4つの観点から分析 ・政治/経済/社会/技術 | ・事業戦略 | ・ファイブフォース分析 ・3C分析 ・SWOT分析 ・4P分析 |
7S | ・以下の7つの要素をもとに社内課題の解決 ・戦略/組織構造/システム/共通の価値観/スタイル/人材/スキル | ・経営改善 ・内部組織の見直し | ・単独で活用 |
VRIO分析 | ・会社の経営資源を4つの視点から評価 ・経済的価値/希少性/模倣可能性/組織 | ・経営戦略 ・経営資源の最適配分 | ・SWOT分析 ・PEST分析 ・3C分析 |
ファイブフォース分析 | ・5つの要因から参入業界の構造を分析 ・競合他社との競争/新規参入の脅威/代替品の脅威/買い手の交渉力/売り手の交渉力 | ・事業戦略 ・新規事業の参入と撤退の判断 | ・SWOT分析 |
4P分析 | ・4つの要素から商品提供側の視点のマーケティング分析 ・製品/価格/流通/販売促進 | ・マーケティング戦略 | ・4C分析 ・3C分析 ・PEST分析 |
STP分析 | ・3つの要素からマーケティング戦略 ・セグメンテーション/ターゲティング/ポジショニング | ・マーケティング戦略 ・新規事業戦略 | ・4P分析 ・PEST分析 |
PPM分析 | ・事業や商品を2つの要素で評価し、効果的な経営資源の分配 ・市場成長率/市場占有率 | ・経営戦略 | ・SWOT分析 ・3C分析 ・PEST分析 |
PDCAサイクル | ・4つのステップで業務改善を図る ・計画/実行/評価/改善 | ・社内の業務改善 ・品質管理 | ・単独で利用 |
AIDMA | ・消費者心理の理解をするため ・注意/関心/欲求/記憶/行動 | ・マーケティング戦略 | ・4P分析 ・STP分析 ・3C分析 ・PEAT分析 |
順番に見ていきましょう。
1.3C分析
3C分析は以下3つの要素を分析することで、新規事業の立ち上げや既存事業の見直しなど、幅広い戦略で活用されるフレームワークです。
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合・ライバル)
- Company(自社)
3C分析は市場のニーズとライバルのポジショニング、自社の強みを洗い出し、競合に負けないポジションを確立させます。
以下にアパレル事業を展開する企業と仮定して、一例を書き出しています!
- 市場・顧客:ファストファッションとECサイトが主流
- 競合他社:ユニクロ/SHENなど
- 自社の強み:素材とトレンドにこだわり
市場やライバルはファストファッションをネットで購入するのが主流だとわかります。
自社の強みを活かすなら、ファストファッションの流れにのらず、自社ブランドを活かす戦略が良いでしょう。
このように、3C分析は市場環境とライバル、自社の強みを分析し他社に負けないための戦略を立てるフレームワークです。
2.4C分析
4C分析は顧客視点から以下の4つの要素を分析するためのフレームワークです。
- Customer Value(顧客価値)
- Cost(コスト)
- Convenience(利便性)
- Communication(コミュニケーション)
これらを用いることで、自社商品を顧客視点で評価できます。消費者が何に価値を感じ、どんなものを求めているのかを理解する手助けになるでしょう。
たとえば、商品開発を行う際には次のように考えます。
- 新商品がどのような価値を提供できるのか(顧客価値)
- 販売価格は顧客にとって適正か(コスト)
- 商品購入しやすいか or 使いやすいか(利便性)
- 顧客への伝えかた(コミュニケーション)
ただ開発するのではなく、顧客ニーズや価格、利便性などを総合的に分析して戦略を立てるのがポイントです。
消費者の視点や気持ちを考慮することで、多くの気づきを得られます!
3.SWOT分析
SWOT分析は企業の外部環境と内部環境の視点から以下の4つを洗い出し、分析するフレームワークです。
- 強み
- 弱み
- 機会(チャンス)
- 脅威(リスク)
SWOT分析の有効性は、外部環境と内部環境を同時に評価できる点にあります。自社の総合的な強みと弱みを把握できれば、戦略を立案しやすくなります。
たとえば、以下のような飲食店を考えてみましょう。
- 強み:駅前で立地が良い
- 弱み:オフィス街で土日の集客が弱い
- 機会:会社の飲み会で使われやすい
- 脅威:近くに大型チェーン店が出店した
- 強み:店名の認知度が高い
- 弱み:新人スタッフが多め
- 機会:独自オペレーティングシステムで生産性が高い
- 脅威:人件費が上昇している
SWOT分析で洗い出した情報から、以下の対策が考えられます。
- 競合店と差別化した営業スタイルの確立
- 集客力の強化
- 売価の見直し
このように、SWOT分析を活用すれば、今後の戦略を立てるヒントが得られます。
繰り返し活用することで精度が上がるので、興味のある企業を分析してChatGPTで答え合わせしてみるとよいですよ!
4.PEST分析
PEST分析は以下の4つの要素をもとに外部環境を分析するフレームワークです。
- 政治(Political)
- 経済(Economic)
- 社会(Social)
- 技術(Technological)
自社では変えられない世の中の動きにあわせた戦略を立てるのに役立ちます。
たとえば、今の世の中から予測できる戦略は以下の通りです。
- 政治:環境保護への関心がより一層高まりそう(温暖化などの影響で)
- 経済:景気は悪化しない見込み
- 社会:少子高齢化のスピードが加速することが見込まれている
- 技術:AIの進歩が新しいビジネスチャンスを生み出しそう
これらの情報をもとに、高齢者向けの環境に優しいAIサービスが考えられます。
世の中の変化にはビジネスチャンスが隠れていますよ!
5.7S
7Sは以下の7つの要素をもとに、会社の内部組織の強化や経営戦略に用いられるフレームワークです。
- 戦略(Strategy)
- 組織構造(Structure)
- システム(Systems)
- 共通の価値観(Shared Values)
- スタイル(Style)
- 人材(Staff)
- スキル(Skills)
7Sを活用すると、自社組織の状態を一度に把握できます。
会社には戦略面や組織構造などの目に見える部分と、従業員や幹部の考えや現場の雰囲気などの目に見えない部分があります。
経営者が目に見えない部分を確認できれば、経営判断がしやすくなるでしょう。
僕の友人が勤めている企業の経営者になったと仮定し、7Sを実施した結果を以下にまとめました。
- 戦略:市場拡大をしていきたい
- 組織構造:部門間での連携が不十分
- システム:部門ごとの決定スピードが遅い
- 共通の価値観:顧客ファースト
- スタイル:風通しは良い
- 人材:優秀だがコミュニケーション不足
- スキル:マーケティング戦略に長けている
7Sから得られた情報から以下の方針が決定できます。
- 定期的な部門間のMTGや懇親会を開催
- 全社一丸となって従業員同士のコミュニケーションを強化
- 各部門の責任者に補佐役をつけ決定スピードをあげる
- 強みであるマーケティング戦略を活かし新規市場の拡大を狙う
7Sは組織改革を進めるための強力なツールとなるでしょう。
内部組織の強化は会社の業績にも直結します!
6.VRIO分析
VRIO分析は、自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ)がどのくらい優れているかを以下の4つの視点で調べるためのフレームワークです。
- 経済的な価値(Value)
- 資源の希少性(Rarity)
- 模倣されやすさ(Imitability)
- 組織体制の強さ(Organization)
分析を通じて、自社が持つ経営資源の強みを明らかにします。明確になった強みを活かして、競合に勝つための戦略を検討しましょう。
実際に、ある企業を分析してみたので、これから検討する際の参考にしてください。
評価項目 | 分析結果 |
---|---|
経済的価値 | 顧客満足度が高く利益も出ている |
希少性 | 人材が優秀 |
模倣困難性 | マーケティング戦略に独自性がある |
組織体制の強さ | 商品やサービスを販売する体制が整っている |
自社の強みや独自性をしり、戦略をたてることで優位性のある会社運営ができるでしょう。
自社の現状の強みがわかれば、戦略が立てやすくなります!
7.ファイブフォース分析
ファイブフォース分析は、業界内の競争環境を以下の5つの視点で分析するフレームワークです。
- ライバル会社の脅威
- 今後の新規参入会社の脅威
- 自社商品から代替商品への脅威
- 買い手(顧客)の力
- 売り手(自社)の力
情報を洗い出すことで、市場戦略において注意すべき部分を確認できます。
例として、スマホ業界を分析した結果を以下にまとめました。
- ライバル会社の脅威:AppleやSoftbankなどの強い競合がいる
- 今後の新規参入会社の脅威:楽天が参入したが苦戦している
- 自社商品から代替商品への脅威:おおいにあり得る
- 買う人の力:ITリテラシーが高く、買う人の力は強い
- 売り手の力:認知度が低く競合が強いのでうる力は弱い
これらの情報を集めることで、スマホ業界への参入は厳しいと判断できます。
どんな業界でも使えるので、ぜひ試してみてください!
8.4P分析
4P分析は、以下の4つの要素をもとに、売り手視点で商品やサービスの販売戦略を立てるフレームワークです。
- Product(製品):どんな商品・サービスを売るか
- Price(価格):いくらで売るか
- Place(場所):どこで売るか
- Promotion(宣伝):どのように商品・サービスを知ってもらうか
4P分析を活用することで、販売戦略を立てやすくなります。
たとえば、オーガニックコーヒーを販売する場合を考えてみましょう。
- Product(製品):国産のオーガニックコーヒー豆
- Price(価格):100gで2,000円
- Place(場所):コーヒー豆専門店のECサイト
- Promotion(宣伝):SNS広告やイベントでの試飲会(希少性をアピール)
4P分析を活用することで、マーケティング戦略まで考えられます。
自社商品の魅力を販売側の視点で分析し、効果的に販売を促進していきましょう!
9.STP分析
STP分析は以下の3つの要素から構成されるマーケティングフレームワークです。
- Segmentation(セグメンテーション):異なるニーズや特性にグループわけする
- Targeting(ターゲティング):セグメントした市場からアプローチすべきターゲットを絞る
- Positioning(ポジショニング):自社商品やサービスをどのような位置づけで販売するかを決める
STP分析は効率的なマーケティング活動をおこなうために活用します。
たとえば、ランニングシューズを販売する場合を考えてみましょう。
STP分析項目 | 内容 |
---|---|
セグメンテーション | 年齢、性別、運動の種類(ランニング、バスケットボール、トレッキングなど)で市場を細分化 |
ターゲティング | ランニングを趣味とする20代から30代の男性をターゲット市場として選定 |
ポジショニング | 「軽量で高性能なランニングシューズ」として、競合製品との差別化を図り、ターゲット市場に訴求 |
分析することで顧客の姿やニーズが明確になり、効果的な戦略を検討しやすくなります。
他社と比較することで、優位なポジションを取れる市場がわかり、限られたリソースをどこに注ぐべきかの判断材料にもなるでしょう。
STP分析はマーケティングには欠かせないフレームワークです!
10.PPM分析
PPM分析とは、市場成長率と市場占有率の2軸で事業を分析するフレームワークです。
- 参入している市場規模がどのくらい拡大しているのかをあらわす割合
- 前年の市場規模と比較するのが基本となっている
- 自社商品が参入市場においてどのくらい占めているかの割合
- マーケットシェアとも呼ばれる
PPM分析はどの事業に注力すべきかを判断する材料になります。
事業や商品を4つのポジションに分類し、事業の将来性や競合とのシェア率の差を可視化します。
- 花形:市場成長率・市場占有率ともに高い事業
- 金のなる木:市場占有率が高い状態(利益が出やすい)
- 問題児:市場成長率は高いが占有率が低い
- 負け犬:市場成長率も占有率も低い状態
市場状況を考慮し、事業をそれぞれのポジションにあてはめることで、どこに注力すべきかがわかります。
複数の事業を抱えている会社におすすめですよ!
11.PDCAサイクル
PDCAサイクルは以下の4つの要素を繰り返すことで、業務改善に貢献するフレームワークです。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
PDCAサイクルを取り入れることで、業務の効率化や現場課題の解決が迅速になります。
たとえば、メーカーの課題解決にPDCAサイクルを取り入れた場合を考えてみましょう。
- 計画:生産ラインのスピードを10%向上させるためオペレーションシステムの変更の計画
- 実行:計画を実行し結果を記録
- 評価:結果をもとに目標数値との誤差を検証。次のサイクルでの改善策を立案する
- 改善:作成した改善案をもとに計画に反映させる
明確な目標と計画、実行と検証を繰り返すことで精度が向上し、課題解決へと導く手法です。
PDCAサイクルは現場業務で役立つフレームワークです!
12.AIDMA
AIDMAは消費者の行動を5つの段階にわけ、心理的な部分を理解してマーケティングをおこなうためのフレームワークです。
- Attention(注意): 消費者が商品やサービスに気づく
- Interest(興味):商品やサービスに興味を持つ
- Desire(欲求):商品やサービスをほしいと感じる
- Memory(記憶): 商品やサービスが記憶となる
- Action(行動): 実際に商品やサービスを購入する
消費者の行動心理を理解することで、マーケティング戦略を効果的におこなえます。今までおこなってきたマーケティング施策の問題点も明確になるでしょう。
最終的には、商品やサービスのコンバージョン率向上につながってきます。
どんなビジネスにおいても、消費者の行動心理を知ることが重要です!
フレームワークを使った経営戦略策定の基本の流れ6STEP
フレームワークを知っているだけでは意味がなく、活用できることが重要です。
経営戦略の策定では以下の流れでフレームワークを利用しましょう。
- 外部環境分析
- 内部環境分析
- 事業(戦略)ドメインの決定
- 企業戦略の策定
- 事業戦略の策定
- 機能戦略の策定
なお、経営戦略は以下の3つから構成されています。
- 企業戦略
- 事業戦略
- 機能戦略
企業戦略が核となり、事業戦略と機能戦略に落とし込む流れで経営戦略が完成する流れを把握しておきましょう。
順番に解説していきます。
1.外部環境分析
外部環境分析とは市場経済や社会情勢をはじめ、事業参入している業界に関する外部要素を分析することです。
外部分析をおこなうことで、今後の経営戦略を立てやすくなります。
分析方法は以下の通りで、マクロとミクロの2つにわけておこないます。
外部環境分析の種類 | 概要 |
---|---|
マクロ分析 | ・政治 ・経済 ・社会情勢 ・最新技術 |
ミクロ分析 | ・市場 ・競合他社 ・顧客の動向 ・トレンドなど |
たとえば、小売業であるスーパーマーケットが外部環境分析をおこなった場合、以下の通りになります。
外部環境分析の種類 | 分析結果の例 |
---|---|
マクロ分析 | ・政治:HACCP(ハサップ)導入による食品衛生管理の徹底強化 ・経済:円安による物価高騰 ・社会情勢:SNS普及による口コミの影響大 ・最新技術:スマートショッピングの拡大 |
ミクロ分析 | ・市場:ECサイトの人気上昇 ・競合他社:生産者のこだわり食材の増加 ・顧客の動向:物価高騰による消費行動の低下 ・トレンド:少量ミールキットの人気 |
分析結果をもとに、健康志向で地産地消の食材の仕入れやECサイトの強化など、市場環境に適応できる体制を構築できます。
外部環境分析には、以下のフレームワークが役立ちます。
- 3C分析
- PEST分析
- ファイブフォース分析
これらを活用して、自社を取り巻く環境を徹底的に理解しましょう!
2.内部環境分析
内部分析とは自社の経営資源や強み・弱みを分析し、市場での優位性を築いて競争に勝つために必要なプロセスです。
内部環境を分析することで、強みと特徴を最大限に活かした戦略を策定できます。
内部環境は以下の2つの要素が挙げられます。
内部環境の要素 | 概要 |
---|---|
有形要素 | ・資金 ・人材 ・商品やサービス ・顧客情報 ・設備 ・不動産 |
無形要素 | ・経営理念 ・理念の浸透 ・ブランドアイデンティティ ・人材スキルなど |
スーパーマーケットで例をあげると以下のような内部環境分析になります。
内部環境の要素 | 概要 |
---|---|
有形要素 | ・資金:手元資金は十分にある(借入金と同等) ・人材:ベテラン人材が多いが、20代の若手が少ない ・商品:地元生産者とのつながりで低コストの仕入れ ・顧客情報:年間を通じた来客数データ ・設備:効率的な在庫管理システム ・不動産:立地が良い |
無形要素 | ・経営理念:地域密着のスーパーマーケット ・理念の浸透:ベテランほど浸透されている ・ブランドアイデンティティ:信用されている ・人材スキル:サービス力が高い |
内部環境を分析することで、サービス力と商品の質が高いスーパーマーケットが自社の強みであるのがわかります。
なお、おすすめのフレームワークは以下の通りです。
- SWOT分析
- VRIO分析
- 7S
自社の強みを言語化して、企業価値を高めていきましょう!
3.事業ドメインの決定
外部・内部環境分析が完了したら、分析結果をもとに事業ドメインを決定します。
事業ドメインとは、競合よりも優位性を持てる事業を指します。
具体的に以下の流れで設定します。
- 誰に
- どの商品(サービス)を
- どのように(提供するか)
スーパーマーケットを例にあげると以下の通りです。
- 誰に:地域に住まいのご家族に
- どの商品(サービス)を:地産地消の生鮮食品を
- どのように(提供するか):サービス力のあるスタッフが手ごろな価格で販売する
ターゲット市場を明確にし、競争優位を築くための戦略が事業ドメインです。
おすすめのフレームワークは以下の3つがあげられます。
- 3C分析
- ファイブフォース分析
- STP分析
戦略的に意思決定するのに活用しましょう!
4.企業戦略の策定
企業戦略とは、どんな事業を展開するのかを決めるフェーズです。
以下の内容を具体的に策定していくことで、ビジネスモデルの基礎を固めます。
- 会社の利益構造をあらわした設計図
- 誰が/何を/どのようにして収益化するのかをまとめたもの
策定項目 | 概要 |
---|---|
経営理念 | ・会社の存在価値や意義を示したもの ・ビジョンとも呼ばれる |
経営目標 | ・会社が達成したい具体的な目標 ・短期/長期で設定される |
事業 | ・理念達成のために具体的な活動(手段) ・企業活動の基礎 |
提供商品・サービス | ・事業における、顧客へ提供するもの ・業界内の優位性を高めるための要素 |
参入市場 | ・自社商品を提供する市場 |
経営資源の配分 | ・経営資源(ヒト・モノ・カネ)の活用方法を決めるプロセス |
企業戦略を明らかにすることで、経営戦略の方向性に一貫性が生まれます。これにより、長期にわたって企業価値の向上や競争優位性の維持が期待できるでしょう。
なお、企業戦略の策定におすすめのフレームワークは以下の通りです。
- 3C分析
- SWOT分析
- ファイブフォース分析
- PEST分析
重要項目なので綿密に分析しましょう!
5.事業戦略の策定
事業戦略とは、会社で展開する事業活動の具体的な計画を指します。
参入市場や顧客への提供価値、競合に負けないための戦略を示し、長期的な事業運営を可能にすることを目的としています。
具体的な内容は以下の通りです。
- 市場の選定
- 商品・サービスの差別化
- 価格設定
- 流通チャネルの選択など
これらの要素が明確であれば、市場での戦い方がわかり、収益の最大化につながります。
事業戦略は、より具体的なプランに落とし込む役割があります!
6.機能戦略の策定
機能戦略とは、各部門を最適に機能させるために作成する戦略のことです。
事業戦略を実現するために重要な役割を果たします。
代表的なものは以下の通りです。
- マーケティング戦略
- 研究開発戦略
- 生産戦略
- サービス戦略
- 財務戦略
機能戦略は以下のフローで明確にしていきます。
- 各部門の成功に重要な要因を明確にする
- 現状とのギャップから課題を明らかにする
- 課題解決の戦略実現への寄与度を調査する
- 目標達成につながる課題を機能別に振り分ける
- 部門ごとに指標と目標を定める
重要成功要因を達成するための課題は、4M(人・設備・手順・製品)の視点で分解して考えましょう。抽出した課題は必ず裏付けを調査して、解決が戦略実現につながるのかを明らかにしてください。
部門ごとに解決すべき課題を振り分けて、指標(KPI)と目標を設定して完了です!
とはいえ、机上の勉強だけでは絵に描いた餅に終わってしまい「わかったようでわからない」「策定してみたものの、これで大丈夫か不安…」といった状態になってしまいます。
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経営戦略策定でフレームワークを使う際の注意点3選
フレームワークは戦略の策定以外にも、思考の整理や課題解決でも利用されます。
さまざまな用途に利用されるフレームワークですが、導入する際には以下の3つに注意していきましょう。
- フレームワークを使うことを目的にしない
- 事業内容に合うフレームワークを選ぶ
- 経営に関する知識を学んでおく
詳しく解説していくので参考にしてください。
1.フレームワークを使うことを目的にしない
フレームワークを使うのが目的になってしまうと、本来の目的を見失い、戦略の実効性が低下する可能性があります。
フレームワークは体系的で使いやすい反面、情報を入力し完成させるのが目的になってしまう場面を目にするからです。
SWOT分析を導入した事例であれば、内部要因と外部要因の機会や脅威、強みと弱みを洗い出すだけで時間を使い終了してしまうことがあげられます。
フレームワークは経営戦略の策定に活用できるツールですが、使うのが目的にならないようにしましょう。
情報洗い出しの時間を決めるなど、導入の際にルールも取り入れると効果的です!
2.事業内容に合うフレームワークを選ぶ
フレームワークを活用したいなら、事業の成長度合いにあわせて使いわけましょう。
事業規模や内部事情、市場状況により各フェーズで直面する課題や環境は変わるためです。
今の事業に適したフレームワークの選び方には、以下3つのポイントがあります。
- 現状の事業課題や目的にあうものであること
- 分析したい範囲や内容が適していること
- 業界や市場特性にフィットしていること
たとえば、新規事業の立ち上げでは以下のフレームワークがおすすめです。
- 3C分析
- PEST分析
- STP分析
あくまで事例のひとつであり、参考にしつつ試しながら探していくものである点に注意しましょう。
自社の状況や目的に応じて、複数のフレームワークを組み合わせながら活用するのが成功の秘訣です!
3.経営に関する知識を学んでおく
フレームワークを使う前提条件として、経営の知識は学んでおくべきです。
経営スキルや学びを得ていないと、フレームワークが単なる形式的な作業になりかねません。
フレームワークは経営課題を解決するためのツールであり、道具を正しく使うためには利用者側に知識が必要です。
経営者や幹部は、経営の勉強にマストで取り組みましょう!
なお、具体的な勉強方法は、関連記事「【保存版】経営の勉強のやり方10選!得られる経営スキルや効果的な学びのコツも紹介」をぜひ参考にしてください。
経営戦略の策定には、理論だけでなく実践経験が不可欠です。
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詳しい内容を把握してから検討したい方は、関連記事「【講師直伝】戦略MG(マネジメントゲーム)研修とは?得られるスキルとゲームの流れを徹底解説」を読んでみてくださいね。